ルナの学園案内
入学式お決まりのように、ルナの称号を持つ者たちは、ラウンジに集められ特別室の説明を受けた。
いつものように私と穂乃果、聖、慶、そして宗弘が固まって座った。
「ん?慶くん、何だか疲れているみたいだね?」
心配そうに宗弘が慶を見て言った。
それを見て、私たちも慶の顔色をうかがった。
「大丈夫?今日は帰ったらどう?」
私は慶の額に手を当てて熱はないなと思いながら手を下げた。
「あー、大丈夫だよ。ただクラスに変わったてか少しうっとうしい女の子がいてさ~対応に疲れただけだよ。」
ヘラっと困ったように笑って言う慶。
「あなたが女ったらしだから罰が当たったんではなくて?」
ふんっと笑いとばす穂乃果。
「俺はぜってぇ無理だわ。」
ゲッと顔を歪ませて言う聖。
「まぁ、無理はしないでくださいね。」
慶の頭をヨシヨシと撫でながら私は言った。
それなのに何故か撫で撫で待ちの列が出来ていた。
「いや、撫でませんからね?」
私のその言葉に落胆する目の前の三人。
「皆様、ご入学おめでとうございますわ。私はルナ統括3年の瀧塚美麗と申します。ここは選ばれた由諸正しき家柄の者しか入れない神聖な場所ですわ。ルナの称号にふさわしい礼儀・所作を含め家名に恥じぬ行動をしてくださいませ。」
それはそれは、縦巻きロールにリボンのカチューシャらしきもの。THEお嬢様といった感じの先輩だった。ゲーム内で見た私みたいな感じだった。
「なんだかあの髪型懐かしいですわ。」
何かを思い出しながら穂乃果はうっとりとする。
「あん時の沙耶花か。俺にとってはヒーローだったな。」
懐かしむように言う聖。
「えっ?さやちん、あんな髪型してたの!?」
驚いたように言う宗弘
「いやー、初等部になって突然髪型を変えた時には一瞬誰だかわかんなかったよ。」
ははっと笑いながら言う慶。
「もうあの髪型は卒業しましたわ。掘り返さないでくださいませ。」
3人をジトっと見つめ私は言った。
昔話に花を咲かせながら後ろの方を4人で歩いた。




