破滅への足音
穂乃果と2人で話していると先生が教室へ入ってき一人づつ自己紹介していくことになった。
「相川元希です。父は相川商事の社長をしています。よろしくおねがいします。」
「飯島千尋です。父は飯島大病院の院長をしております。よろしくおねがいいたします。」
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病院の院長だったり社長だったり政治家だったりさすがお金持ち学園だなと思いました。
しかし、みんながみんな同じように家の職業言ってるけどあれは練習してきたのだろうな。
次の人〜と先生が呼んだ
「桐ヶ谷聖。よろしく・・・・・・。」
そう言ってすとっと座った。
・・・・・・・・・桐ヶ谷 聖。何処かで聞いた覚えが、、、、。
考えていると私の順番にあたったみたいだ。
「わたくし神宮寺 沙耶花と申します。皆様どうぞよろしくおねがいいたしますわ。」
ニコッと笑い静かに席に着いた。
次の人が立ち
「篠宮 慶です。皆さん僕と仲良くしてください。よろしくおねがいします。」
・・・・・桐ヶ谷聖・・・・・・篠宮慶・・・・・・西沢穂乃果・・・・・・月ヶ丘学園・・・・・・神宮寺沙耶花・・・・・・!?!?!?
ガタッっ!!思わず私は立ってしまった。
「神宮寺様どうかされましたか?」
先生が少し心配そうに話し掛けてきた。
「申し訳ございません。少々ビックリしたもので。ホホホ・・・。皆様失礼いたしました。」
私はそう言って再び椅子に座った。
え?まってまって!繋がった!!
まさか、ココは前世でしてた乙女ゲームの『ドキドキ恋する王子様』じゃないの!?
そんなまさか!!でも、あの子は桐ヶ谷聖、ドSのキング。私の後ろの子は篠宮慶、温厚な笑顔の王子。友達になった西沢穂乃果、主人公のサポート役だったよね!?
はっ!!神宮寺真人!生徒会長だった人だ!ま、ま、ま、まさか私、神宮寺沙耶花は主人公を虐めてエンドでは学園と家から追い出されて海に身投げした・・・・・・。
私はそこまで考えてブルりと鳥肌がたった。
偶然にも名前が重なりすぎてこの考えが正しいと思う。
ここは『ドキドキ恋する王子様』の世界。そしてこのまま高等部まで上がればゲーム通りのストーリーが始まると・・・・・・。
ひとつひとつ、破滅への足音近付いて聴こえるような気がして私はこの人生を嘆きたくなった。