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悪役?そんなものお断りします!  作者: Miiz
第3章 中等部
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桐ヶ谷聖の場合


痛い、何でこんなことすんだ、やめろ、でも助けなくちゃ、俺が守ってあげなくちゃ、



学園にいた子猫を俺はこっそりと飼っていた。

ある日、子猫は上級生にいじめられていた。だから俺は子猫を庇った。



今度は俺が石を投げつけられたり棒で叩かれたり蹴られたりした。


俺が弱いから、俺がもっと強ければ、もっと父のように威厳があれば蹴られる中、俺はそう思ってギュッと目を閉じた。



大きな声と共にある女の子が目の前に飛び出してきた。



その顔は怒っていても綺麗で相手を避ける動作はしなやかでその横顔はかっこよくて当時の俺にはヒーローで彼女が輝いて見えた。


そして彼女が言った一言に救われたのかもしれない。

殴られているときはただ強ければ、相手をねじ伏せるぐらい強くなくちゃと思った。

だけど彼女は手を出さず守り抜いた俺がすごい立派だと笑顔で答えてくれた。

その時、何かがストンっと心に落ちたような気がした。

それと同時に彼女を守れるような男になりたいとも思った。


俺はもっと強い強敵が現れてもこの身を挺して彼女を守れるように武術を学んだ。

その後、慶も同じく武術を始めた。力で慶に勝つのは難しくなった。

だから俺は、戦術に力を注ぎ、力で圧倒する者に対しても冷静に分析・判断を行えるようになった。



それから俺は、彼女とそいつにくっついている穂乃果そして慶と一緒にいるのが当たり前になった。

この二人は俺に媚を売ってくる女達とは全然違った。

彼女はあいも変わらず俺に優しく時には叱ってくれて俺を正しい方へ導いてくれる。俺の道しるべだ。初等部の頃、俺は彼女に恋をしていることに気が付いた。


中等部になってその気持ちはもっと高まった。


はじめて舞踏会に参加した時、その姿を見て俺はまだ彼女の隣りには立てていないと悟った。まだまだ高みにいる彼女に追いつく為、相応しい男になる為、中等部3年間、努力した。

俺は高みまで上った。もう彼女の横に立っても可笑しくはないだろう。その位、自信はある。


ライバルは2人いや、4人か。全員誰だろうと彼女の横に立とうものなら蹴落としてやる。彼女に害をなそうものなら全力で守り抜く。



俺がもし彼女と出会えていなかったらって?今より女は嫌いになっていただろうし、逆らう奴は全員戦力を使ってでもねじ伏せていただろう。

彼女の優しさに触れ、仲間に恵まれ今こうして俺はここにいる。


舞台は整ったようだ。この3年で俺を好きになってもらう。



だから、他の誰かじゃなく俺を好きになってくれ。




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