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悪役?そんなものお断りします!  作者: Miiz
第3章 中等部
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西園寺穂乃果の場合

わたくしには、それはもう可憐で美しい大親友がいます。


その前に少し昔話をしましょうか。

わたくしは、子供の頃から西園寺家令嬢にふさわしい人物になれるよう厳しく躾をされましたわ。

辛くて時々屋敷の近くにある教会に逃げ出していた時にいつも楽しそうに読んでいる

男の子が持っている本に興味を持ちました。絵本でもない不思議な本に

わたくしには未知の世界でしたわ。一瞬で魅了され親の目を盗んで読むことが密かな楽しみでしたの。


そして、この時の出会いは忘れはしないでしょう。


窓から差し込む太陽の光でキラキラと輝く髪、人形のような白い肌と青い瞳に一瞬で惹きつけられましたわ。漫画に出てくるお姫様が飛び出してきたように思えましたの。

そして何故だか感じるなにか。一瞬でこの方と是非、お友達になりたいと。


その頃、すこし人見知りをしていたわたくしは、彼女以外、お友達ができませんでした。


ある日、大親友にひっついてくる男が2匹いました。

ちび助と腹黒です。気兼ねなく話せる殿方ですが、

わたくしの大切な大親友を狙う悪いオオカミです。


小さいながらわたくしは思いました。大親友を魔の手から守るのはわたくしの役目だと。



そしてある日、わたくしは誰にも話していない秘密を打ち明けました。

彼女なら大丈夫と思えましたが最初は嫌われないか不安でした。


打ち明けた時の彼女の驚いた顔を見てわたくしの心に不安が押し寄せてきました。

ですが、それは杞憂に終わり、わたくしに秘密の部屋を見せてくれました。

そこにはわたくしが好きなものが沢山ありました。

わたくし達の心は一気に近づきました。


頻繁に遊びに行くようになり、わたくし達は、趣味の幅を広げていきました。


二人きりのときには「さや」と「ほの」と呼ぶような仲になりましたわ。

これは、あの二人が入り込めない乙女の領域です。



親友と仲良くなると同時に親友の隣りに立つにふさわしい令嬢になるように今まで以上に

勉学、習い事に力を入れてきました。だから堂々と親友の隣りに立っていられるのです。

他の方にお譲りなんで出来ませんわ。



もし親友と出会わなかったら?そんなの考えられませんわ。

きっとどこかで挫折していたでしょう。

趣味の幅も広げられず人目を気にしコソコソと過ごしていたに違いありません。

そしてこのように堂々としていなかったのでしょうね。

引っ込み思案で人見知りでか弱い令嬢の代表だったでしょう。



そしてとあるバカが親友を惚れさせるとほらを吹いていますがそんなバカに親友は渡しません。

これからわたくし達は、高等部へ進学します。

漫画やゲームのように恋の舞台になるであろう学園生活。


いつかはお互い結婚するかもしれない。でもまだ二人でたくさん遊びたい。

だから親友は渡しませんわ。



あぁ、どうかまだ、誰のものにもならないでください。

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