神宮寺真人の場合
僕には可愛い妹がいる。俺と同じプラチナブロンドに青瞳。
昔は、母からロシアン人形のような髪型とドレスを着せられていたが、中等部に入ると同時にそれを辞めた。元から可愛い妹がもっと可愛くみえるようになった。それと同時に変な虫がつかないか終日不安でしかなった。
そんな妹は僕が気を抜くと一瞬で追いつかれるぐらい勉強ができて、
追い抜かれないよう僕も必死で勉強した。
僕が試験で首位だったり、賞を取ったりすると自分の事のように喜んでくれて、お兄様はすごいんだとニコニコと父や母に語る。そのお陰で両親は僕への評価はすごく高かった。
そんな妹がいたからこそ今も穏やかに居られるんだとつくづく思った。妹がいなかったら、こんな心優しい妹ではなかったら僕はきっと神宮寺財閥の跡取り息子という重圧に押し瞑れていたかもしれない。今頃どんな風に過ごしているのかなんて想像もできない。
そんな可愛い妹は庶民の生活にとても興味を持っており初等部の時に秘密部屋を作った。
僕だけがいる空間の時には、お兄ちゃんと言ってくれる。それを聞いただけで心が癒される。
これは僕だけの特権である。
そんな可愛い妹には昔から引っ付いている悪い虫が2匹?いや3匹いる。
桐ヶ谷聖、篠宮慶、吉高神宗弘だ。こいつらは僕のブラックリスト内の要注意人物だ。
見た目良し、家柄良し、成績良し、母は、フィアンセ候補にこの3人を視野に入れている。
だからこそ、僕からしたら可愛い妹を掻っ攫う要注意人物ということだ。
まだ可愛い妹は誰にもやらない、別に嫁に行かなくてもいい、僕が養う。
その準備には抜かりはない。
父母が許さない?そんなもの言いくるめるのは簡単だ。なぜなら父はこちら側だからだ。
そんな妹ももうすぐ高等部へ入学する。
美しさの中に可愛さも兼ね備えた高嶺の花の僕の妹。
僕の心を癒してくれる可愛い妹。誰のものにもならないでくれ。




