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悪役?そんなものお断りします!  作者: Miiz
第3章 中等部
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喧嘩を買う時は周りに迷惑がかからないようにしましょう。


収穫の秋を迎えて美味しいものをついつい食べ過ぎてしまうこの時期にそれは突然暴風の如くやってきた。




「あなた神宮寺沙耶花ですわね?」



クラスの友人とのんびりしていた沙耶花にTHE悪役令嬢の風貌をしている人とその取り巻き達が沙耶花を囲んだ。



沙耶花はというと私より悪役令嬢キターーー!と内心ワクワクしているのであった。


「はい、そうですわ。」


沙耶花はニコりと笑いその方を見た。



「わたくし鷹谷エリナ(たかや えりな)と申しますわ。単刀直入に言いますわ。桐ヶ谷聖様はわたくしのフィアンセになる方ですの、わたくしのお父様もそうおっしゃっているわ!なので、気安く聖様に話しかけないでくださいませんこと。」



そう言ってエリナはキッと沙耶花を睨みつける。


前世から売られた喧嘩は買う精神の沙耶花は思わず




「あら、それは存じ上げておりませんでしたわ。ふふふ、聖様はこのようなお元気ではっきりしていらして自信おありな方がお好みなのですね。」



お嬢様けなし言葉をはっきりハキハキと強調して3連発ニッコリと笑いながら言う沙耶花。



その言葉にエリナの顔はゆがんだ。



「ちょ、調子に乗らないことですわよ!わたくしのお父様にかかればあなたの家なんてすぐに潰してさしあげますわ。」



怒りをあらわにしそう言ってのけるエリナ。



「それは恐ろしいですわね。よく考えておきますわ。」


沙耶花はニコニコと笑いながら答える。



「ふん、そう思っているのでしたら行動に示すことですわね。」


そう言って座っている沙耶花を見下すエリナ




沙耶花はスッと立ち上がり、そしてエリナと目と目を合わせた。



「お役に立てないかもしれません。あまりあてになさらないで。」



クスクスと口元を手で押さえ笑う沙耶花。


だが沙耶花から発せられるプレッシャーはエリナやその取り巻きを後ずさりさせた。



「あまり多人数でこのようにクラスに押し掛けるのはおススメ致しませんわ。周りの方がお困りになりますわよ。」


そう言って押し黙って後ずさっているエリナに一歩、一歩近づきながら言う沙耶花。



「あぁ、それと聖様のフィアンセならば、わたくしや聖様、慶様、穂乃果様とお話ししているときに堂々とご一緒にお話ししてればいいのではないですこと?」


そう言ってエリナに近づく。


エリナは沙耶花の威圧に顔が引きつる。



「まさか同じ様な事を穂乃果様に言ってはいないでしょうね?」


沙耶花の笑みの温度が下がるのがクラス中に伝わる。



「こ、この後、行く予定で、でしたわ。」


エリナは恐怖のあまり言葉が詰まる。



「穂乃果様の元へ行くことはお勧めいたしませんわ。不本意な結果になるかもしれなくってよ。すこしのんびりしていらっしゃるあなたにも解りやすく伝えましたわよ。理解していただけたのなら足早にここを去ることね。」



最後に沙耶花はニッコリと笑う。



その言葉を皮切りに取り巻きは走ってその場を去る。



「お、覚えていなさい!!」


エリナはその言葉を残して去っていった。




「皆様、お騒がせしてしまい申し訳ありませんでしたわ。」



そう言って沙耶花はクラスの皆の方を向き振り返る。



そこにはギコチナイ笑顔を向けるクラスのみんながいるのであった。


「「「絶対、神宮寺沙耶花様には喧嘩を売ってはいけない。触らぬ神宮寺沙耶花に祟りなし」」」



クラスみんなそう心に誓ったのであった。





「あの時のさっちん凄く怖くて。クラスの皆、怖がってた。」


後日、宗弘から伝えられ激しく後悔した沙耶花であった。

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