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悪役?そんなものお断りします!  作者: Miiz
第3章 中等部
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兄はなかなかやる奴

やはりこの世界にも夏休みの宿題というものが存在する。だがしかし!!こんなに大量ではなかったはずだ!!と沙耶花は心の中でそう思いながら腕を組み出された課題を眺める。



「まぁ、早く終わらせてゲームしよっ」


沙耶花は独り言を呟き気合いを入れる。



沙耶花はもちまえの集中力で出された課題をどんどん終わらせていく。

集中力が切れて休憩しようと振り返れば、テーブルでニコニコと沙耶花を眺めている兄がいるのであった。



「お兄様、いつからいらしたんですか?」


少し驚きつつ沙耶花はそう言った。



「ん?ついさっきだよ。ノックしても返事なくてさ。覗いたら勉強してたから沙耶花を見ながら待ってた。」


そう言って、兄は冷えているお茶を注いでくれた。



「ありがとう存じます。お兄様は、わたくしに何かご用件が?」



沙耶花がそう言うと兄はすこしムーッと膨れた顔をした。



「もうお兄ちゃんとは呼んでくれないんだ。」


ツーンと拗ねる兄。それに沙耶花はあぁ、と思い出すのだった。



「ついついいつも通りに話しちゃったよ。ごめんね、お兄ちゃん。」


お兄ちゃんという箇所を少し強調して言う沙耶花。そして満足したのか兄は話を切り出した。



「明日から、フェンシングの全国大会なんだ。優勝したら僕に褒美くれる?」


兄がニコニコとそう言った。



「全国大会出場ってすごいね、褒美って何が欲しいの?」


沙耶花は兄が全国大会に行くことに驚きつつ何が欲しいのか尋ねた。



「ショッピングに付き合って。」


兄がそう言って。沙耶花はきょとんとした顔をするのであった。



「ショッピング?私でいいのなら。」


沙耶花がそう言うとやったー!と言って約束だよーと部屋を出て行った。




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そして兄は全中で個人戦優勝という偉業成し遂げたのだ。




約束通りショッピングへ来ているのだが・・・・・・



「沙耶花、これなんかどう?」


にっこにこの笑顔の兄と余り状況が掴めていない沙耶花は片耳づつ普段でつける用のピアスを探している途中であった。



「あの、お兄様?なぜわたくしたちが片耳づづ付けるのです?」


沙耶花はあたまに疑問符を浮かべながら言った。



「一緒の付けてたら、僕の沙耶花ってこと皆に見せつけれるでしょ?」


シスコン度合がヒドくなっている今日この頃。



「あの、お兄様。わたくしは兄としてお兄様の事を慕っておりますわ。」


ちゃんと区切りをつけようとはっきりと沙耶花は言った。


「うん、僕も可愛い妹として沙耶花の事が大好きさっ。いずれは沙耶花も結婚して誰かのものになってしまう。でも、沙耶花が結婚するまでは誰のものでもないから僕が独り占めするだけさっ。(まっ、そんな易々と他の男に沙耶花は渡さないさっ)」


そうニッコリ笑って言う兄に心の声も聞こえそうな表情だったので沙耶花は苦笑いをするのであった。


沙耶花はしぶしぶピアス探しに参加するのであった。



こうして決まったのがブルーダイアモンドのピアス。

兄は左耳に沙耶花は右耳に、、。




沙耶花が片耳ピアスの意味を思い出すのはもう少し先である

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