部活見学をしよう(文化部編)
文化系の部活見学は、まず交流系の料理部に行ったがいかにもシェフが作るような一流の料理が並んでおり私には無理だと悟りすぐに退室した。
次に学術系は文学部、化学部、生物部、天文学部、外国語部などがあった。
お勉強は授業、家庭教師で十分かな?と思いちらっと見ただけで沙耶花はその場を去った。
でも、天文学部は少し興味がある。
そして、芸術系
囲碁、将棋、華道、茶道、書道、手芸、写真、演劇、美術、マーチングバンド、オーケストラなどがある。そしてこの学園の部活動に必ず加入しなければいけないという救済処置で談話部というものが存在する。そこはただ単に、週に1回、談話室に集まり、話すという部活だ。
茶道部をのぞいた時、すっごく嫌そうな顔をした宗弘が茶席に座っていた。
彼は沙耶花を見つけると先生の方を向き、生徒のお点前中に席を立つことを詫び、先客の予定があるとチラッと沙耶花の方に目を向ける。それにつられ先生も目を向けると。待っていたのが沙耶花だと知ったのだろう。少し焦った様子だった。
そして宗弘と二人で茶室を後にした。
「ふぅ、助かったよ~さっちん。あの先生に捕まっちゃってさ、僕の父の門下みたいだし断りずらくて」
はぁ、ため息をつきながら宗弘が言った。
「むっくん、お疲れ様。ふふっ久しぶりにむっくんって面と向かってよんだかもね?いつもメールか電話でだったし」
沙耶花がそう言うとふふふと笑いあった。
「それじゃあ、僕は他の部活見てくるよ。メールするね!」
一通り話した後、手を振りながら宗弘がそう言って去っていった。
そして沙耶花は変わった部活動を見つけたそれは「旅行部」である。
内容としては、色々な場所を旅行するのだそうだ。
平日数回の部活、旅行の計画。そして月一回、土日祝等を使っての旅行。
大変変わった。部活であった。
そして沙耶花は最後の目的の場所、オーケストラ部へと足を運んだ。
案の定、一人が沙耶花につっこんできた。
「穂乃果様、オーケストラ部はいかがですか?」
つっこんできた穂乃果を抱き留め、沙耶花は言った。
「沙耶花様!どうでしょう、わたくしオケは初めてですので。あ!!そうですわ!沙耶花様、伴奏していただけないでしょうか?久しぶりに沙耶花様と一緒に弾きたいですわ」
ニコニコと沙耶花を見つめて穂乃果は言った。
「しょ、しょうがないですわね、穂乃果様の可愛さに免じて弾いてさしあげますわ。ですが、流し程度でお願いいたしますわ。」
沙耶花そう言うとやったー!と言いながら楽譜を穂乃果は探しに行った。
沙耶花は、顧問にピアノを貸してもらえるようにお願いをしに行った。
「沙耶花様!これがいいですわ!スペイン舞曲集 Op.23第2番サパテアード!」
きらっきらした笑顔で穂乃果が言った。
「わたくし初めて引くので譜読みだけさせてくださいね。」
そう言って沙耶花は楽譜をもらい。ピアノのイスに座り譜読みを始めた。
その間、穂乃果も軽く譜読みを行った。
「お待たせいたしました。では、スピードはこの位で、、。」
沙耶花はそう言って譜面台を指でコツコツと叩いた。
穂乃果のヴァイオリンで始まり、沙耶花は追いかけるようにピアノで伴奏をした。
軽快に二人とも楽しく音楽を奏でた。
周りにいた生徒や顧問は二人の奏でる音に驚き魅了され二人の音楽に夢中になった。
二人の演奏が終わった瞬間、拍手喝采で沙耶花と穂乃果は拍手に驚き顔を見合わせ笑った。
顧問から沢山質問された。そしてピアノを趣味で終わらすのはもったいないとひつこく言われた沙耶花だった。
そして、顧問の押しが強く穂乃果と逃げるようにその場を去る二人だった。
「はぁ、穂乃果様、あのような大勢の人前で二重奏するのは控えましょう。」
沙耶花が少し疲れたように言った。
「そ、そうですわね。あそこまでひつこいとは思っていませんでしたわ。ですが、沙耶花様とのデュオはすごく楽しかったです。」
穂乃果は満足そうに先程の演奏を思い出しているのかうっとりとした表情で言った。
こうして沙耶花の速いスピードで部活動見学は終了した。
沙耶花が家に帰ると不機嫌な兄がいたのは言うまでもないだろう。
そして沙耶花は入部届を出す前日までやりたいと思う部活がいまいちぱっとせず未だに決められずにいるのであった。
入部届提出期限前日の夜、沙耶花は部活動あみだくじを決行した。その結果・・・・・
びっくり、旅行部に決定しました。
そして次の日の朝、聖に入部届を奪われ、なぜか聖まで旅行部になった。
聖としては部活という名のデートが出来るとわくわくしていた。
ちなみに、穂乃果はオーケストラ部、慶はサッカー部、宗弘は弓道部だ。
沙耶花と聖が同じ部活の為、穂乃果はぎゃーぎゃー聖に文句を言っていたが、聖はニヤケて穂乃果の話をスルーするのだった。