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悪役?そんなものお断りします!  作者: Miiz
第3章 中等部
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イメチェンしました。


中学生なるにあたって、私はある決断をした。


それは……………イメチェンである!!!


この縦巻きロールは小学校で卒業!!母親の断末魔が聞こえようがこればっかりは譲れません。


ということで、中学校入学式の前日に美容室に行って縦巻きに必要な重みのあった腰まで長いロングをバッサリと胸上までカット。ワンレンベースでカットしてもらいハチ上にレイヤーを入れて軽さを出してもらった。


案の定、家に帰ると母が衝撃で軽く立ったまま気絶した。


父に関しては、、、、


「おい、沙耶花に専属のSPをつけるぞ。」


そう真顔で秘書に話をつけていた。

SPを付けられるのは非常に困るので、おねがーいとちょっと甘えて許してもらった。


兄は、「沙耶花に近づく虫は1匹残らず排除してあげるね。」


と凄みのある黒い笑顔で兄に言われ、背筋が冷たく感じた。



「本当の私を知っているのはお兄ちゃんだけだよ。」


とそう耳元で言いニッコリと笑ってみせると、「お兄ちゃんか・・・」と少しニヤケぎみな笑顔で兄が機嫌を取り戻した。




3月が寒かったせいか入学式には桜が満開で学校までの道のりに咲く桜をみて花見しながら三色だんご食べたいなと考えていた。



学校に到着してクラス通知で1年5組と案内状が来ていたので教室に足を進めた。



教室の扉を開けると知っている顔がちらほらといた。

みんな私をちらちらと見た。

なんということでしょう。いつもいるはずの3人が見当たらない。



座席表を確認するとなんと、穂乃果、聖、慶の名前がクラス表には書いていなかった。



ドタドタと複数の足音が走ってくるのが聞こえて、あの人らかと沙耶花はドアの方を見た。



「!沙耶花っ!何で1組じゃねえんだよ!!」


「沙耶花様!!何故、3組じゃありませんの!?」



駆け込んできたのは聖と穂乃果だった。その後、二人の緊迫した雰囲気とは裏腹にのんきな声でおはよ~と手をヒラヒラしながら慶が来た。


「へぇ、すっごい可愛いじゃん!見間違えるぐらいだよ。イメチェン?というか、二人とも、よく沙耶花がわかったね。」


そうヘラっと笑いながら来た慶に穂乃果はギッとにらみつけた。


「当り前ですわ!どのようなお姿の沙耶花でも親友のわたくしは間違えたりしませんわ!それよりも!何故、一緒のクラスではないんですの!?」


穂乃果はそう言って、私にしがみついてきた。



聖というと入ってくるまで気づかず、イメチェンした沙耶花を見て見惚れていた。


「すっげぇ、可愛い。沙耶花、やっぱり俺のフィアンセになってくれ。」


沙耶花にしがみついている穂乃果を押しのけ沙耶花の手を取り聖が言った。


穂乃果を押しのけたことにより穂乃果が逆上し、安定の言い合いが始まった。




「初めてですわね、わたくしたちが別々のクラスなんて。」


穂乃果と聖の言い合いの声をBGMに沙耶花は慶に向かって話した。


「そだね~、ちなみに俺は3組で穂乃果と一緒だよ。多分、二人とも初等部の時に言ったから中等部でも同じクラスになるって思ってたんじゃない?同じ学園でも管轄は違うのにね。」


クスクスと笑いながら慶が答えた。



「まぁ、別々というのもまた新鮮ですわね。」


沙耶花がそう言うと慶が何かを思いついたのか


「会えない時間が愛を育む。」


慶が真顔で言ってのけ、自分で言って面白かったのだろう肩を震わせて笑った。



チャイムが鳴る頃に慶が穂乃果と聖を引きづって教室を後にした。




改めて教室の方を振り返るとさっきの私たちの会話から私があの縦巻きロールの神宮寺沙耶花だと分かったのだろう。外部入学生以外の生徒は全員、驚いた顔をしていた。そこには同じクラスである吉高神宗弘も同様だ。



「ごきげんよう、吉高神様。髪型を変えてみましたの見間違えましたか?」


沙耶花がそう驚いた表情をしている宗弘の元へ行き言った。


「いや、本当にビックリだよ。可愛い人だなと思っていた人が沙耶花ちゃんだなんて。すごく似合っているよ、可愛い。」


宗弘がそう言って満面の笑みを浮かべた。


沙耶花はその笑顔を見て少しキュンとしたが心の内に秘めておく。




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そして場は入学式。

な、なんと、私は新入生代表の挨拶に選ばれました。

理由としては、受験、全教科100点でしたー!その結果を聞いた時、全教科100点で部屋ではしゃいだのは最近の話である。



「新入生の挨拶。代表、神宮寺沙耶花様、壇上へお上がりください。」


司会のその言葉を聞いて、私は立ち上がり壇上へ進んだ。

私の縦巻きロールの姿を知っている人たちであろう。私の髪型を見て、会場が軽くざわついた。


その声の中には「ルナに現れるシンデレラだ。」などと言う声も聞こえてきた。



私が壇上に上がり、一礼をすると会場はシーンと静まり返った。

心臓がバクバクとなり緊張で手が少し震えるが、意を決めてすぅっと息を吸いあいさつ文を読んだ。


「風に舞う桜吹雪が目に眩しい今日、わたくしたちは無事に入学式を迎えることができました。本日は、このような盛大な入学式を催して頂き誠にありがとう存します。本日よりわたくしたちは・・・・・・・わたくしたち新入生は右も左も分からない状況です。先生方、上級生の皆様方、あたたかい目で見守って頂き、ご指導くださいますようお願い申し上げます。新入生代表、神宮寺沙耶花。」


私がそう挨拶し、一礼をすると会場に拍手が鳴り響き無事に終わったー!と内心でガッツポーズをした。





後日談だか入学式が終えたあと、家族絡みでの食事の誘いが沢山来たそうだ。婚約などの話を含めて。父は無言でそう言った招待状は破りわざわざ火につけて燃やしたのだった。

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