リムジンは広すぎだよね
「お父様、お母様いってまいります。」
「いってまいります。」
兄が挨拶したのに続いて私も挨拶をし黒塗りのリムジンの中へと入った。
リムジン登校とかどんだけリッチ何だよ!!と思ったがこの学園では普通の光景らしく驚くのを諦めた。
「沙耶花、お父様が言ってた事は気にしなくていいと思うよ。沙耶花にはたくさん友達作って楽しく過ごしてほしいからさ。お父様とお母様には秘密だけどね」
兄はそう言って口元にシーッと人差し指を立てた
その行為が可愛くて可愛くてブラコン度が加速した。
「おにいさま!わたくし沢山お友達作りますわ!でも一番大切なのはおにいさまですわ」
兄の手を握り私はそう言った。
「ありがとう、沙耶花。僕も沙耶花が大好きだよ。」
兄は万遍の笑みで私に言った。
そんな私達をミラー越しに微笑ましく見てる
運転手の黒川がいた。
「真人お坊ちゃん、沙耶花お嬢様。仲が良くて羨ましい限りです。沙耶花お嬢様、これからも車の運転はわたくしにお任せ下さい。」
ニコニコと笑い黒川は言った
「これからもよろしくおねがいいたしますわ」
私がそう言うと黒川は少し会釈をして運転席の仕切りが黒へと変わった。
学園に到着し幼稚部の玄関先で兄にエスコートされリムジンから降りた。
「運転ありがとう。帰りもよろしくおねがいいたしますわ。」
ごきげんようと言い兄に手を引かれながら
校舎へと入って行く