新しいお友達ができました。
時が過ぎるのは早く、私たちは初等部最高学年の6年生になった。
学校側が操作しているのだろう、私、穂乃果、聖、慶は6年間同じクラスだ。
そして私と穂乃果の周りには自然と取り巻き……もとい、よく一緒に行動するお友達が数名できた。
そして私は今日、重要な人物との衝撃的な出会いがあった。
----まずは、とある日の休日にさかのぼる----
「ふっふふ~ん、早く誕生日こないかな~。そしたら乙ゲー解禁するのにな~。」
秋葉にあるゲームショップを見ながら上機嫌に商品を物色していた。
まさか、こんな場所に同じ学園の生徒がいるとは知らずに・・・・。
----学園----
私は、すこーし授業をサボり、ルナ専用のラウンジでゆったりと紅茶を飲んで本屋でGetしたラノベ小説を読んでいると
ひとりラウンジへ入ってきた。
その人は無言のまま私の前の椅子へ座ってガン見された。
聖たちと同じくらい人気で吉高神くんだ。
イケメンだが、いつも独りでおり、無口で少し暗い印象うけるが周りからは高嶺の花のようで近寄り難い雰囲気を放っているそうだ。家が茶道の裏千家の家元だったような・・・
そう思いながら今まであまり接点のなかった私は何故この人にガン見されているのか不思議でたまらない。
無言の圧力に耐えれず、私は口を開いた。
「ごきげんよう、吉高神様。わたくしに何かご入用ですか?」
私がそう言うと彼はコクコクと頭を縦に振り言葉を続けた。
「神宮寺さんに聞きたいことがあるんだ・・・・・・」
私はそれを聞いてどうぞと話を続けるように言った。
「この間、秋葉のゲーム売り場で見かけたけど・・・ゲーム好きなの?」
思い当たる節があり私はピシッと固まった。
「あ、やっぱり神宮寺さんだったんだ。さっきチラッと見て分かったけどその本、アニメ化予定の人気のラノベだよね。」
いつもの暗い雰囲気からは想像出来ない柔らかい笑みで吉高神が私に追撃をした。
「あ、あっ、えーっと、そのー、」
私は学園の生徒にバレたという事から多少パニックになり言葉が続かなかった。
「お、落ち着いてください、僕も実はアニメとか大好きなんだ。だから、一緒に話が出来る人が欲しかっただけで、脅そうとか、そんなじゃなくて、、」
私の焦りが移ったのか、彼までアタフタし始めた。
彼の言葉を聞いて少し落ち着きを取り戻した私は少し不安げに言った。
「ひ、秘密にしてくださるのですか?」
うん!っとはにかんだ笑顔で彼は言った。
私はよかったーっとホッと前のめりの身体をソファーに預けた。
「あ、あの・・・よければ僕と友達になってもらてないかな?僕、友達いなくて・・・・・・。」
少し不安そうな顔で彼は私に言った。
「えぇ、わたくしでよければ、アニメなどのお話も弾みそうですし。わたくしは、神宮寺沙耶花と申しますわ。」
私はニコリと微笑み改めて自己紹介をした。
「ホントですか!?嬉しいな!僕は吉高神宗弘。よろしくね、神宮寺さん!あ、友達ってニックネームで呼び合うものなのですかね?」
彼は友達が出来て嬉しいのか、キラキラとした顔で言った。
「そうですわね、呼び方は色々ですわ。お好きにお呼び下さい。」
私がそう言うと何か思いついたのか彼が口を開いた
「あの!人がいない時だけでいいので僕の事、むっくんって呼んでくれませんか?あと、神宮寺さんのことさっちんって呼びたいです!」
キラキラした期待に満ちた目で私を見る彼に私はお手上げた。
どこぞの某バスケマンガが好きなんだなーっと心の中で思った。
「わかりました、人がいない時だけですよ?固い言葉遣いじゃ違和感があるので砕いた話し方に変えますね・・・・・・、むっくん、これからもよろしくねっ」
私がニコッと笑いながらそう言った。
「ーーーー!!は、、いっ」
彼は照れたのか顔を手で覆って隠しそう答えた。
私は少しだけ恥ずかしくなった。
「あの、私だけじゃ何だか恥ずかしい、むっくんも私のこと呼んでくれない?」
私がそう言うと彼は恥ずかしいそうにこう言った
「そうだよね、、さっちん・・・・・・。ははっ、何だか照れるな。」
彼は赤く染まった頬をポリポリとかいた。
傍から見れば初々しいカップルの会話に見えているのであろう
お茶菓子のメニューを持ってきた執事はその現場を目撃し
そっと扉を閉めた。執事が入ってきていた事は沙耶花、宗弘ともに知らない。
家に帰って気付いたが彼は「ドキドキ恋する王子様」の攻略対象であった。
私はそんな彼の友達1号に認定された。
そして、今後は身バレを防ぐ為に変装して買い物には行こうと決心した。