頭脳派兄妹
この学校の授業レベル高い。舐めてた。小学校1年生とかひらがな習うじゃん!10までの足し算とかじゃん。余裕ぶっこいてたらダメだな。
というのは茶番で私が幼稚部の頃、兄の勉強を見てそう思ったのでしっかりと家庭教師を雇ってもらってる。
前世では一応有名な大学を卒業したのでそれなりの勉強の基盤はある。なので既に初等部の勉強は全て終えた。今、家庭教師では中等部の勉強をしてる。
「お嬢様、本当に中等部の勉強を初めてよろしいのでしょうか?」
家庭教師の福士 知子先生、若く可愛いらしい先生が不安そうに眉を下げて言った。
「よろしくってよ。学校の勉学は予習をしっかりしてるから大丈夫ですわ。分からなかったらその都度、聞くわ。」
私はそう言って中等部の参考書をペラペラっとめくった。
「初等部1年生で中等部の勉強・・・、確かに、お嬢様はご優秀でむしろ私が分からなかったら丁寧に教えてくれて・・・・・・、って!!どっちが家庭教師か分からなくなりますよ〜」
そう言って福士先生はしょぼんとされた。
「気に病まないで下さいませっ、わたくしが特殊なだけですわ。そういえばわたくしドイツ語とフランス語も勉強したくて中等部の勉強と並行しててご教授してくださるかしら?」
福士先生がドイツ語、フランス語、中国語は大得意という情報を聞いていたので私がそう言うとパァっと笑顔が戻った。
「そーですよね!お嬢様もドイツ語とフランス語は堪能ではないですよね!任せて下さい!」
とドヤ顔で言われた。
クラシックの勉強でドイツ語とフランス語の文学を読んだのは秘密にしておこうと思った。
中等部の勉強する旨を両親に伝えたのだろう、夕食の時にプチ騒ぎが起きた。
「沙耶花さん、あなたの家庭教師から聞いたのですが中等部の勉強を始めたそうですわね。初等部の勉強は大丈夫なのですか?」
そう母が聞いてきた。
「はい、初等部の勉学は全て修了し全教科満点でしたので中等部の勉強を始めましたわ。」
私がそう言うとみんな驚いた顔をした。
「え、沙耶花そんなに進んでいるの?参ったな僕は中等部3年の勉強してるけどもう追いつかれそうだよ。」
兄はやれやれと焦った感じで言っていた。
ん・・・・・・?兄よ、もう中等部3年までいってるのか!前世の記憶持ちの私みたいにチートではなくただの天才がここにいた!
「さすがお兄様ですわ。お兄様にはまだまだ追いつけませんわ」
私がそう言うと当然!兄だからね、と私達は微笑みあった。
その頃両親というと・・・・・・
「ねぇ、あなた。わたくしたちの子はこの様に賢く本当にわたくしが産んだのかしらと疑ってしまいますわ・・・・・・。」
「そうだな、、。本当、出来の良い子たちで私たちが追い抜かれるのは時間の問題だな。」
父と母が遠い目をして話していたのは兄と私は知らない。




