卒園式
そんなこんなで時はあっという間に過ぎていった。
運動会をはじめ、遠足、音楽鑑賞会、仲良し4人組のお互いの誕生会。私たちの絆は深くなったと言っていいだろう。相変わらず穂乃果と聖はケンカをしているが慶という敵の前にして2人は結束が強まった。
そして兄の卒園式。
「おにいさまとこうして登校することができなくて寂しいですわ。」
車の中で私はそう言って少し寂しくなりほろりと涙が出てしまった。やはりいつになっても卒園、卒業とは感動してしまう。
兄はそんな私を抱きしめこう言った。
「紗耶花、泣かないで家ではいつでも会えるよ。僕が初等部に行っても紗耶花が大好きだよ。」
私が泣いたのが嬉しいのかニコニコしている。次初等部に上がるには思えない口説き文句だ。兄がマセガキで将来が心配である。
季節は繰り返し変わり、ついに私たちも本日が卒園式だ。
「紗耶花様~!!わたくし紗耶花様と初等部でクラス離ればなれは嫌ですわー!」
そう言いながら穂乃果は私に泣きついた。
「まぁまぁ、穂乃果様クラスが同じになるかは運しだいですわ。」
穂乃果の背中をさすりながら私は言った。
「俺もっ、紗耶花とはなれたくないっっ!!」
泣くのを我慢しながら聖も私の前に来てそう言った。
「ふふふ、私は穂乃果様と聖様にそのように思ってくださって嬉しいですわ。」
そう言って私は嬉しくで思わず2人を同時にギューっと抱きしめた。2人は私を抱きしめ返してくれた。
「僕だけ仲間外れなんでひどいな~。僕も仲間にいーれてっ!」
そう言って慶は私の背中に抱き着いた。
そして私だち4人はお互い笑いあった。
式が終わり私たちは相変わらず4人でいると慶が何かを思い出しだかのように言った。
「初等部で同じクラスになれるように自分の親たちに頼んだらいいんじゃないかな?ここの学園長は僕たちの親から沢山お金もらってるみたいだからお願い聞いてくれるんじゃないかな?」
穂乃果と聖の目がギラッと光ったのが分かった。そして急用ができたと2人して帰っていった。
「慶様……。」
そう言って私はジト目で慶をみた。
「ん?どうしたの?」
とぼけたように慶がニコニコしながら答えた。
少し長い春休みが終わりいよいよ私、神宮寺紗耶花は月ヶ丘学園 初等部に入学します。