ふたりの強敵現る!?
そんなひょんな出会いから私たち4人はよく一緒に行動するようになった。相変わらず穂乃果と聖の仲は良いとは言えないがギャーギャーケンカしながらも一緒にいるのでお互い嫌い合ってはいないだろう。
「何であなたのようなちび助が紗耶花様の隣に座るのよ!!大人しくおどきなさい!」
私がたまたま端に座ったせいで隣の取り合いが勃発しはじめた。
「いやだね!俺が先に座ったんだ!早い者勝ちだろ!」
そう言って聖がべーっと舌をだした。
「むきーーーー!!」
穂乃果がハンカチを噛みそうな勢いで悔しがった。
いっつも2人でケンカしているので最初の頃はクラスの皆も驚きはしていたが今となっては日常茶飯事なので私と慶を見てお前らケンカ止めろよという目で見てきます。私たちは断じてこの子らの保護者じゃありません!!
「2人ともおやめになって。クラスの皆様がお困りになりますわ。」
私が2人を制しするとグワッと私の方を向き
「「紗耶花(様)はどっちの隣がいいの!?」」
見事にとばっちりをくらった。少し困り慶を見るとニコッと笑うだけだ。
「どっちか選んでしまうとまたケンカになりますので今回は慶様がお隣にお座りになってくださいませんこと?」
私はケンカ両成敗と間をとって慶を選んだ。
「え、僕?わかったー。」
そう言って隣に頑として座っていた聖をどかしそこに座った。そして二人でいろいろお喋りをはじめた。
そんな私たちをポカーンと放心状態で固まっている穂乃果と聖、動き出すのに幾分か時間がかかった。
「「えーーーーーー!?!?」」
2人の声がクラス中に響いた。そして2人はお互い目を合わせ何か相談するのか私たちに背をむけて話し合いをはじめた。
コソッ「まさか、あんな所に強敵がいるとは思ってなかったぜ。」
コソッ「敵はあなただけかと思っていましだが他にもいたようね。」
コソッ「あいつはどうやっつける?」
2人のコソコソ話は私たちにもしっかりと聞こえた。
「ねぇ、紗耶花ちゃん。あの2人のおしゃべり聞こえているよって伝えたほうがよさそうじゃない?」
少し困った様子で慶が私に話しかけてきた。
「いいえ、ほっときましょう。ああしていれば仲が良いのですから。」
私は2人のコソコソ話が出来ていない状態に少し微笑ましくなった。
いくよ、せーの「「お前には紗耶花(様)を渡さない!」」
びしっ!っと2人は慶を指さしそう言った。
私と慶は不意をつかれて少し放心してしまった。
「ふふっ、うけてたつよ~。」
慶は面白い玩具を見つけたごとくニコニコと笑った。
私はそんな慶を見て将来Sっ気に走らないか心配になった。
そんな彼はやはり面白がってか私の隣に座っていることを良い事に手を握ってきたり、耳元にコソコソと話かけてきたりと穂乃果と聖の反応を見て楽しんでいた。やはり彼は将来Sに目覚めるなと私は確信した。あれ?でもゲーム内の慶はそんな事なかったような……?と少し心配になった。




