やっぱりハッピーエンドじゃないと
ふわふわとどこかを流れている。どこだろうか。何も見えない。でもなぜか落ち着く。どうしてだろう。あったかい?そんな感じだ。
ー約束したよねー
えっ?誰?ああそうだった。でもどうやってここから出るって言うんだよ。
終わりのない異世界のようなところで出口なんて探しても見つからなそうなのに...
ーわかっているだろ。君はいつもそうやってここから出ていたんだからー
だからどうやって。いつもって、知らないんだけど
ー大丈夫。わかっているはずだー
え?確か外に出たいと思ってやっていたような...
私が外に出たいと思った瞬間あたりに眩しい光が出てきた。
ーあの人は待ってくれているよ。安心していくといいよー
ああ、なんだか勇気が出てきた。というかあんた誰?
その言葉はもう遅くて答えてもらえなかった。
あれから数年が経った。相変わらずあんずは現れない。あんずはまた逢いに来るといった。毎年飽きもせずに木があった場所にいる。こんなこと昔の俺だったらこんなことしないだろうな。
俺は青く雲一つない澄んだ空を見上げた。
「またお前のいない春が過ぎていくのか」
と独り言をつぶやくとほのかに甘い香りがした。
後ろから誰が抱きついてきた。俺はそれが誰だかすぐにわかった。あたりには花なんてないのに花びらが舞っていた。
「ただいま」
その言葉に俺は泣きそうになった。
「もう離さないから。絶対に」
そういいあんずを思いっきり抱きしめた。もう二度と離したくない。二度と!
「あんずずっと俺の側を離れるな」
「うん」
あんずの目からは、大粒の涙が流れていった。




