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花のささやき  作者: 一松和葉
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恋のきずき

広すぎてわからないところを歩いて行くと屋敷に着いた。運が良かったのかちょうど夏樹の部屋の前に着いた。使用人たちの目をかいくぐり中に入ると夏樹がいた。

「夏樹‼︎」

そう叫ぶと驚いた様子でこちらに振り返ってきた。

「なんでお前がいるんだよ」

その言葉は怒りではなく心配の声だった。少し嬉しかった。だけど

「なんで今日こなかったの?」

「それは…」

夏樹は語尾を濁らせた。だけどこのままだと私が夏樹が来るの楽しみみたいになってるじゃん。まあ実際そうだったんだけど…

「心配したんだから」

何かあったんじゃないかとものすごく心配した。

「あーごめん。行けなかったのはー」

「あのあんずの木、切っちゃうんだって」

「えーうそー。結構綺麗なのに」

夏樹の言葉を遮るように使用人たちの会話が聞こえてきた。

えっ?あんずの木を切る?なんのこと?そんなの全然知らない。そんなたくさんの疑問が頭の中がいっぱいになりそしてそれは一つの答えと結びついた。それは

「死ぬの?私…」

こんなに怖いと思ったのは初めてだ。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い‼︎

トンッー

えっ?夏樹?

夏樹が私を抱きしめている?

「ちょっ、なに?」

「震えてる」

あっ今私震えてる?怖い怖い怖い‼︎でもなぜか夏樹の腕は優しく私を抱きしめて私を落ち着かせてくれる。それになんだかドキドキ?してる。

「ありがとう」

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