色づきだす心
「…………おい」
「えっ?」
いきなり話しかけられたので少しびっくりした。
「なんでついてくるんだよ」
なんでと言われましても
「出口知らない」
「はぁ⁈」
この人なんか私の木に来た時と全然違うんですけどー。だってあの時はすごく優しかったのに。
「そういや名前。聞いてなかったね」
なんか怒ってるんですけど
「夏樹。九条夏樹!」
なぜ怒ってるのかわからないけど
「へー」
「帰り道教えるから早く帰れっておい‼︎」
何言ってるかわかんないけど早く木に帰りたい。そうすればあの男の子に会える気がするから
「おまっ!そっちは!」
何か言いたそうだったが思いっきり無視をして走っていった。そこには桜ではなくあんずの木がポツンと生えていた。私の木。
「早く帰れよ。ここは俺の場所だ」
この人は何を言っているのだろうか。
「この木は私の木だよ」
そう言うと彼は少し驚いた様子だった。
「じゃあ、おまえが」
何を言っているか本当にわからない。
「よくわかんないけど送ってくれてありがとう」
そう言うと木の中に入っていった。そして彼は何を思ったのか
「おまえだったのか…」
そうボソッとつぶやいて私に寄りかかってきた。私はあぁこの人だ、と思ったのだった。
この時私の何かが動き出した。




