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出来損ない達の旅日記  作者: 喜乃等 眞子音
卒業〜出会い〜
4/8

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「だずげでぐだざぁぃ」


この男、フラベクトがこの様な奇声をあげることになった理由は1時間程前に起きた小さいが大きい事件。







いくら簡単に旅に出ると決めてしまったフラベクトも、当然、旅に出る時の常識ぐらいは知っている。分からなければ人に聞くなり、旅に関する入門書を購入すればいい。当然、フラベクトも入門書を購入し、必要な道具……主に服装を重視して準備をしていた。

世の中には、他人から教えられて知る事柄もあるが、自らで学んで知る事柄もある。しかし、人間は思い込みが比較的激しい生き物であり、自分は大丈夫、自分に限ってそんなことはない、と思い込んでしまう。それは、一度痛い体験をしてみないとなかなかわからないものである。それが現在における友人の裏切りや中だるみの時期に入った学生のテスト結果点数ガタ落ちだったりするのだ。

今回フラベクトは、その自身には勿体無いくらいの思い込みの所為で、所持金の殆どを失う事になる。

原因は買い物に出かけた時間帯だった。沢山の人が夕食や明日の準備の為に買い物に出かける時間帯。良い子のみんなはカラスと一緒に帰る準備をしている時間帯だ。その時間帯はこの街ではスリや万引き犯のステージショー当然だったりする。毎日のように買い物に来ている主婦やそういうのに詳しい人物なら被害には合わないだろう。しかしフラベクトがこの街に来るのは5年ぶり。5年もあれば大体の街は劇的な変化を遂げる。さらにこの街はちょうどこの5年間でもはや別の場所の様な雰囲気を醸し出していた。さらに言えばフラベクトは主婦でも犯罪防止のプロフェッショナルでもなく、この街に良く来ているわけねもない。つまりは、いいカモを求めて街をうろついているスリ犯には格好のカモだったというわけだ。そして、運悪いことに、フラベクトは財布をポケットに入れていたのだ。この後は大体想像はつくだろう。その道10年、その世界では知る人ぞ知るスリのプロフェッショナルに財布を取られ、財布が取られたことに気がついたのはそれから17分程後の話であった。

相変わらず難しい。

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