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始めての作品なので、アドバイスや賛否等、遠慮せずにコメントしてください。
「母さん、この本なんなのよ」
誕生日の御祝いとして母から渡された本は何処の店でも売って無いようなくたびれた日記帳。しかも使用済み。
「何って、この世に一つしかない日記帳よ。凄いことじゃない。これを持ってるのはこの世で貴女だけなのよ。」
「何言ってるの母さん、ついにぼけた?私が日記書くような人間じゃないことはわかってるだろうに。そもそも使用済みの日記帳を渡す人だなんて何処にもいないよ。」
いつも母さんはこうだ。ちょっと他の人とは違う価値観を持ってる。そんな母さんでもどうやら世界ではかなりの有名人らしくて何度か何かの記者が家に押しかけてた。私には理解不能だ。
「この日記はね、私達一族のご先祖様の日記なの。私も小さい頃読んだけど面白かったよ。まあ文句なんか言わないで読んで見なさいよ。じゃあ、私は魔法教えに行ってくるから、大人しくしてるのよ。ハルちゃん。」
はぁ、なんなんだろうあの人は。嵐のような人だ。でも変わった趣味の母さんが面白いって言うなら相当面白く無いんだろう。何しろ価値観が違うのだから。まあご先祖様のがどんな人かは興味があるから読んでみよう。
…何これ、魔法?目の前に映像が…
青い空、白い雲、木々の爽やかな緑、卒業式を終えてこれからの生活を楽しみにしている卒業生達。そこから少し離れたところで卒業証書の上に座って頭を抱えてる僕。何しろ他の卒業生とは違うのだ。同じことといえば他の卒業生と同じ15歳で卒業出来たこと位。これからどうするのかが全く決まってない。何しろ魔法学園の卒業生でありながら魔法がほとんど使えないのだ。魔法が使えないから魔法学園卒業だなんて言っても誰も信用しないだろう。魔法が使えないんだから。
でも卒業してしまったからには何か仕事を見つけなければならない。父にも母にもしられないように就職せねば、あんな家にはもう帰りたくない。絶対帰るものか。よし。何をしよう。どっかのギルドに入ろうか。ダメだ三日で死ぬ。じゃあ剣士とか戦士とか騎士とかに…ダメだこの体じゃ三日持たずに死ぬ。いっそのこと治癒術師はどうだ。ダメだ。治癒術も魔法だ。じゃあどっかの店員にでも…知り合いにでも見られたら大変だ。親に知られたらどうなるかわからない。まず同期の卒業生にでも見られたら…一瞬で笑いものだ。それだけは嫌だ。
しょうがない。旅にでも出るか。
その日から僕、フラベクト・メインフェクトの旅が始まった。
書いてみて一言
難しい。
これから
不定期に頑張ります。




