序章~2
この頃から初めて昼間と夜とアルバイトをするようになっていた。見かねた祖母が高2の時に私を一度1カ月くらい福島に送り出された。そこは、若者を更生させるための場所で、学生運動をしていた50代くらいの夫婦の家だった。何も無い。近所も、遊ぶところもスーパーさえない。
あるのは、タバコと酒だけ。そこの夫婦の旦那さんに、農業の手伝いや、稲刈りや養鶏。そこでバイクや車も覚えた。慣れたら中々嫌いではない生活だった。そしてそこから戻るとまた元の生活に、逆戻り。
私は、さらに荒れた。家に帰らない、学校もいかない日も増えた。男も次から次へと変えた。昼間のアルバイトのスーパーの若い従業員とは、私も若かったし私から声を掛けて全員付き合った。そして夜もその頃初めて新宿歌舞伎町に出入りするようになっていた。
高2の私は、何故か10代で子供が欲しかった。そして家族が欲しかった。その頃歌舞伎町で知り合った男と私は、子供を作った。 それがまお。妊娠が分かると、年上だった彼は、下ろしてくれと。
若かったし親もいたし祖母もいたし旦那がいなくても何とかなるだろうと、思っていたので。
私は、一人でも産むつもりだった。
初めての妊娠。学校に分からないように隠し、何とかバレずに卒業。でも何でほとんど行かなかったのに卒業出来たのか?それは、父が後々私に言った。世間体が悪いから500万で卒業を買ったと。その頃私の父は、広告代理店を経営する社長だった。その時の彼は、言った。彼自身の親に男なら責任取りなさいと言われたから結婚して子供を産んで欲しいと。
まあその時は、理由がどうであれ嬉しかった。
初めて彼との結婚生活が始まったのは、覚えていないけど妊娠が分かった3カ月くらいの時だったと思う。私は、年上の彼に心底甘えていた。初めての結婚式は、身内だけで川崎のホテルで行った。もうお腹が大きくなっていた。
そして出産。初めての痛さ、恐怖。今でも忘れない…そして息子が産まれた。19歳の冬だった。神奈川県の関東労災病院で出産をした。立ち会いだった。彼は、私に感謝の気持ちを手紙に書いて渡してくれた。本当に嬉しかった。泣いた。
そして人の親になった。私は、働かなくてもお金に困る事は、一度もなかった。楽な生活、仕事から帰ると彼が哺乳瓶を洗ってくれるし、赤ちゃん本舗で30万の買い物をしたり、好き勝手やっていた。そしてそれは、来た。出産後初めてのセックス。前までと気持ちが変わっていた。したくないどうしてもしたくないあんなに男をとっかえひっかえしていたのにしたくない。でもしたくないのも毎日は、無理だし体調が悪い。子供が昼間大変だった。まぁ散々色んな理由をつけて4年。彼とのセックスから逃げた。すると流石に浮気が始まり、携帯のロックの番号も浮気相手の女の誕生日。私は、メールの内容をSDカードに全て落とした。その時私は、もぅセックスを断らなくて済むとホッとした。
私も若かったし子供一人で育てられると思い、もう気持ちの無かった彼と一回の浮気で別れる事にした。結婚生活5年にピリオドをうった。まおが年長さんの頃だった。私の親の離婚と同じ次期だ。
私は、この頃からまた昼間と夜の仕事をやるようになっていた。最初は、楽しかった。子供と2人で毎週お婆ちゃんや父が来てくれたし。男にその頃は、興味が無かったし。自分の趣味で漫画を書いたりと楽しい生活は、そう長くは続かなかった。