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勇者 岐路につこうとする

「では皆の者よ、楽しい一時であった」

 魔王の一言によりこの会は終了し、魔王軍の観客は去り、学生も一人また一人と外に用意されている馬車へ向かい移動を始めた。


 魔王は玉座に座ったまま頬杖をつき、その様子を笑顔で見送っている。

 しかし足元に転がるマオを治療するために救護班来るわけでもなく、ピクリとも動かずまだ転がったままだ。

 そして魔王軍のほぼ全員、それに学生もサッシーを残して誰もいなくなった・・・。


「どうしてマオを救護しないの、治療してやるって言ったじゃない」

 玉座に座ったまま、まだ何もしていない魔王に向かいサッシーは怒った様にと言うか、少しイラついた感じで言っている。

「なっ、なんだ小娘まだいたのか、安心せいワシは嘘はつかん」

 気を突かれたかのように魔王の方が少し慌てた感じだ。


「じゃあなんですぐに治療しないのよ、まさかと思うけど死んでるなんて事はないでしょうね」

「今言ったであろうワシは嘘はつかん、間違いなくこいつは生きておる、それに今は動かさん方が良いのだ」

 誰から見ても苦しい言い訳にしか聞こえんが、まだ戦闘中に掛けられたチャームが効いているのか、その言葉をサッシーは疑ってないような気配だ。

「じゃあ任せるわよ、ちゃんと治療するのよ」

「小娘よ任せておけ、新学期には間に合わせてやろう」


 それを聞いて安心して部屋を出ようとした時、サッシーは学生の中でまだ馬車に乗ってないもう一人の人物がいる事に気が付いた。

「クルリちゃんは帰らないの」

 残っていたのは久しぶりに両親であるアスタルテ、ピルカと一緒にいるクルリだ。


「あっサッシーお姉ちゃん、うん、だってまだマオサマが帰らないから私もいるよ」

「大丈夫よマオは魔王がちゃんと治療してくれるって」

「マオサマ怪我してるの?」

「そうよ、だから私と一緒に学園に帰りましょ、そして無事帰ってきたら全快パーティーでもしましょうね」

「いっぱい食べれれる?」

「そうね、ソールちゃんにいっぱい作ってもらいましょう、あれ?そう言えばルナちゃんとソールちゃんここに来てから見てない様な気がするんだけど・・・」


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