魔王 サルトムントと決着す
しかしこの勝負、長期戦になるかと思ったのだがリコのオッズではないが瞬時に決着がつくと言う驚きの展開となった。
もちろんワシはこの位の事予想できていたので、決して驚いてはおらんからな。
勝負は二人がにらみ合ったかと思うと開始の合図とともにサルトムントの強力な一撃がワシの立っていた辺りを襲う。
しかしこれを予想していたワシは瞬時にかわすが、その拳圧により舞台が捲れあがり、瓦礫が宙を舞いワシらの視界をほんの一瞬だが塞いだところも見逃がさす、ワシはクルリの強靭な鱗を粉砕した時のように強力な一撃をサルトムントの横腹に入れる・・・。
と思わせてガードを下げさせたところで、顎に強烈な一撃がクリーンヒット、さすがにこれには耐えられずその場にサルトムントは崩れ落ちたのだ。
もちろんこれはサルトムントが完全に油断していたからうまい事いったのだ、と名誉のために付け加えておこう。
ただその驚きはワシよりもこの勝負を見ていた観客の方が大きかったのだろう、静まり返ったまま誰一人口を開くものはおらんのが何よりの証拠だ。
さて次はいよいよ本命の偽魔王が相手だ、この戦法は相手が油断していたからこそ出来たので、同じ手は二度は通用しないのは分かっておる、こいつはどうやって倒してやるかの。
玉座へ続く階段を昇りながら作戦を考えるが、そんな事ワシには無駄な事、ここは当たって砕けない精神で正面突破がワシには似合っておるの。
階段を昇り切った所には、ニセ魔王もマントを脱ぎ捨て、戦闘準備万端でワシを出迎えておるわ。