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魔王 賭けの対象にされる

  バトルが始まると思ったその時、静寂を破るように甲高い声がする。

「ちょっと待ってちょうだいよ、こんな面白い事そのままじゃモッタイナイよ」

 この甲高い女性の声は魔王軍財務担当『節制の財布』リコであろう、何でもモッタイナイと言っては金儲けの材料にしようとする悪い癖があるからのう。


「本当にモッタイナイね、まだ始めないでよ、すぐに準備するから」

 そう言って一枚の紙に何か書きなぐったかと思うと瞬時に何枚にも増やしてしまった(これの方がもったいないのではないのか)、そしてそれには


『本日の勝負を予想しよう


 ①サルトムントが1分以内に勝利       2倍

 ②サルトムントが1分以上3分以内に勝利   3倍

 ③サルトムントが3分以上5分以内に勝利   4倍

 ④サルトムントが5分以上10分以内に勝利  10倍

 ⑤サルトムントが10分以上で勝利      5倍

 ⑥学生が勝利                100倍

 ⑦引き分け・無効試合            50倍


 参加をお待ちしております  リコ❤』


 やはりな、リコが出て来たからそうではないかと思っておったがこの試合を掛けの対象にしてしまったか。

 しかしワシの勝利が100倍だと、なめられたものだ、それならワシのは自分の勝利に全財産を掛けようではないか。


「ここは①だ①」「思い切って③だろ」「なにがあっても①以外は考えられんな」「私②だと思いますのよ」などそこ中らから聞こえてくる声にワシの勝利を予測する者などおらんではないか。

「⑥に10000」

 おーワシに掛ける者がおったのか、そしてその声の主はアスタルテではないか、さすがはワシの正体を知っておるだけの事はあるな・・・それはイカサマと言うのではないか。


『情報戦の勝利だ』とアスタルテの心の声が聞こえたような気もするぞ。

「ちょっと、マオこの異常な盛り上がりは何よ、それに本当にこの男と戦うつもり、クルリちゃんの時みたいにうまくいくとは考えられないでしょ」

「心配せんでもよい、このような者とのバトルはすぐに決着を付けてやろう、それよりもサッシーよ頼みがある、学生共を舞台から避難させておけ」


 今から暴れるのに学生共が舞台に残ったままでは邪魔で思いっきり暴れられんからな、サッシーであればうまい事逃がしてくれるであろう。

「分かったわよ、マオは言い出したら聞かないんだから、でも殺される前にギブアップするのよ、生きていれば勇者ポイントを溜めて再戦もできるんだからね」

 サッシーめワシの事を良く分かってるではないか、ただ力までは理解しておらんようだな、サルトムントごときにワシが負けるわけないであろう。


「ハイですよ、お二人もルールに則り賭けて下さいね」

「おうそうじゃのワシは①に掛けるぞ」

 そう言いながらサルトムントはコインを1枚リコに渡している。

「はい確かに受け付けました、でそちらの学生さんは」

「決まっておろうワシは⑥に全財産だ」

「だめですよ、掛けの対象者は金貨1枚だけ賭けるのがルールですよ」

「なんじゃつまらん、ワシが勝って大金をせしめようと思っておったのにのう」

 仕方ないので金貨を1枚だけリコに渡し、残りを懐に仕舞った。


 ちょうどその時にサッシーの適切な誘導により、この舞台上にはワシとサルトムント二人だけが取り残された形となった、これで良い、この位広い所でないとワシも本気でやれんからな。


「これでもう邪魔は入らんだろうな、ではもう一度仕切り直しだ行くぞサルトムント」

「ワシャも準備OKじゃ、かわしそうじゃが学生さんよぅ、瞬殺で決着を付けさせてもらうけえのぉ」

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