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魔王 戦いを邪魔される

 思いっきり腕を伸ばした腕には何の感触もない、まさかあの一瞬で腕を切り落とされたのか、それにしては痛みすら感じないではないか。

 いや違う、伸ばした腕は無傷でちゃんとくっついているが、そこにはニセ魔王の姿はなかった。


「面白い事をしちょるの、まずはワシャと戦ってもらえんかいのう」

 声の主はどこから現れたか、そこにいたのは『無限の力』サルトムントが魔王を押しのけ、ワシとの間に割り込んで来てしまった。


「何をしておるのだサルトムントよ、ワシの楽しみを取るでない」

「ケチ臭い事を言わんといてえや、ワシャも暴れたいけえのぉ」

 忘れてはおらんが、そう言えばサルトムントは戦いがあると他に用事をしていても真っ先に駆けつける無類の戦闘バカであった、こんな面白い事に首を突っ込むなと言う方が無理な相談だろう。


「残念だ小僧よ、ワシが直ぐに戦いたかったがこの者は戦いに関しては一度言い出すとワシの言う事でも聞かんのでな、この者を倒せれば次に相手をしてやろう、玉座で待ておる、必ず来いよ」

 そう言うとニセ魔王は踵を返し、玉座へ向かう階段を上ってしまった。


 面倒くさい事になったな、これではよくあるRPGのように中ボス、大ボスと連戦せねばならぬのか、仕方ない、まずは早くサルトムントを倒してしまうかの。

「よし、分かったではサルトムントよ、ワシが直々に戦ってやろ」

「ええ心掛けじゃのう、じゃけどのう、上の者に対する言葉遣いがなちょらんのう、ワシャかしっかりと鍛えちゃろ」


 身長の高いサルトムントはワシを見下ろすように舞台に立つと、指をポキポキと鳴らし、まずはお決まりの一睨み。

 ワシがそれ位で怯むわけもなく、もちろん反対に睨み返し、両者の間には激しい火花が散っているのが誰の目にも明らかとなり、いつ戦闘の火ぶたが切られるか、その一瞬を待つだけとなった。

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