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魔王 禁断の部屋から脱出する

 部屋の中を探すがやはり『魔王の剣』の姿はどこにも見当たらない。

 やはりここにも無いようだな・・しかし後一か所可能性のある場所がある。

 しかしあの場所はワシのプライドが許さんのだが、良いな良い事にさせてもらうぞ。


 その場所はロッカーの中、つまり衣装に着替えるために脱いだ制服、下着等が入っていると思われる禁断の園、言っておくがワシは変態ではないからな仕方なく開けるのだぞ。

 誰に言っているか分からないがそのような事を呟き、表に「サッシー」と書かれた紙の貼ってあるロッカーの扉を開いた。


 もちろん綺麗に制服は畳まれその上には白い下着類が置かれているが、決してそれを拝借し、ポケットに突っ込むことなく制服をずらし目的の物が無い事を確認するとゆっくりと扉を閉めた。


 やはりここにも無いようだな、そうなればこの部屋にはもう用はない、早くここを抜け出そう。

 急いで扉の所まで来たのだが、こちらに向かってくる女性の声がする、まずい町でのシーンが終ってしまったのか、これでは今ここを出る事は無理だ、かと言ってこのままだとワシに変態の烙印を押されてしまうではないか。


 その間にも女生徒の声が大きくなってくる、どこに隠れればいいんだ、ここは外から見えないように窓は存在してない、しかも今まで使っていなかった部屋を更衣室にしたためか、調度品の類もない、運の悪い事にすべてのロッカーに名前が書いてあるのでそこに逃げ込むのもアウトだ。


 もうだめだ、ワシはこれから変態の別名を持って学園生活を送らねばならなくなるのか・・、観念しその場に立ち尽くしたまま運命の扉が開きかけた瞬間、ワシの体は信じられない力によってどこかに引っ張り込まれたしまった。


「ねえ、今誰かいなかった」「え~怖い事言わないでよ」

 ワシの上からそんな女生徒の声がする、ここは一体どこなのだ、それに誰がワシを救ってくれたのだ。

「危ない所だったですのぉ」

 おお、この声はルナではないか、なぜお主がここにいるのだ。

「魔王様の気配がここからしたのぉ、ここはなのぉ、魔王様直属のメイド控室だったのぉ、だから万一の敵襲の時用に備えて抜け穴が用意されていたのぉ」


 そうだったな、ワシ等の部屋には必要ないが、従者用にはしっかりと設置させておいたからな、まさかこんな所で役に立つとは思わなかったぞ。

「それでなのぉ、魔王様はなぜ更衣室にいたのかのぉ」


 一難去ってとはこの事だ、ルナよそれは聞かないでおくのが助けに来た者のルールだぞ、ただやましい事をしているわけではないので教えてやろう、ワシは『魔王の剣』を探しておったのだ、いろいろ探したがどこにもなかったのでな最終手段でここにおったのだ。


「そうなのかのぉ、でもここにはないのぉ、あの剣はすでに舞台の中にセットされてるのぉ」

 何だと、それではすでに客共が見ている中に有ると言う事か、そうなるともう手が出せないではないか。

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