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魔王の今現在 翌朝の些細な出来事

「魔王様、朝ですにゃ」

「もうそんな時間か」

 ゆっくりと体を起し辺りを見回す。

 そこにいるのは白いメイド服の女の子が忙しそうに朝食の準備をし、黒猫が一匹ベットの上で眠っている。


 もう気が付いた奴も多いだろう、今女の子の姿をしているのがソール、眠っている黒い子猫がルナだ、ソールの方が太陽が出ている時だけ女の子の姿をし、夜は白猫の姿になり、反対にルナの方は月が出ている時だけ女の子の姿でそれ以外は黒猫になる、そんな呪いが二人には掛かっている。


 ワシの力があればそんな物はすぐにでも解除してやるのだが、それに人の姿のままで居てくれた方がルナの不味い飯を食わなくて済むし、ソールの掃除によって部屋を壊されることもなくなるのだが、呪いの見返りが永遠の若さらしく解除は絶対に拒否してくる。


「魔王様、そろそろ出発した方が良いにゃ」

 ゆっくりと朝食も食べさせてはくれないのか、仕方ない、ワシが約束したことを破るなどと言う事は絶対に許せないからな、これだけ食ったら出かけることにしよう。


 目の前には山盛りのパスタとボール溢れんばかりのサラダ、それに肉汁がしたたり落ちる極厚のステーキが用意されている。

 それをほんの一〇分で完食し、いつもの制服に着替えると公園へと向け出発した。そんな俺様を後ろから付いて来る者がいる。


 付いて来るなと何度も言っているのだが、城を抜け出した時もだが、面白そうなことがあるとどこへ行くときも付いて来るこの二匹の事は無視したいのだが、隠れているつもりだろうが猫ではないので完全に体は柱からはみ出ているので丸見えだ。


「おーい、そんな所で隠れてないで出てこい」

「誰の事にゃ」

「お前だ、ソール」

 さっとソールは隠れるがやはり体はしっかりと見えている。そしてやっと観念したかゆっくりと、しかし堂々と柱の陰らか胸を張って現れた。


「いつからにゃ、私が隠れているのを見付けるとはさすが魔王様にゃ」

 そう言う事にしておこう、このままコソコソ付いて来られるよりは堂々と一緒に行った方がワシが勝つときに何かイカサマがあるとか思われることはないだろう。


「ソール、もう帰れては言わん、どうせ言っても付いて来るんだろ」

「そ、そんな事はないにゃ」

 そうは言っているが、嘘を言う時の癖でソールはこちらの目を見てはない。


「まあよい、付いてこい」

「ハイですにゃ、魔王様」

 今度は横に寄り添うように並んで歩きだした、余談ではあるがもちろんその手にはしっかりとルナが抱かれている。


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