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魔王 生け贄にされる

「皆様、こちらでございますよ」

 ピルカに連れられ到着したのは大きなホール、今回の演劇をする舞台つまり魔王城にある最大の部屋、謁見の間だ。


 後はここを突き抜け、魔王の椅子の後ろの扉を抜けるとワシの部屋、そこに施されている魔方陣の上に乗る事が出来ればこの忌々しい力の封印を解くことが出来るのだ。

 では早速儀式に取り掛からせてもらうとしようか、そう思いこのホールに一歩足を踏み込んだところでワシの肩を掴む者がいる。


「マオさんちょっとこちらに来てもらえるかしら、そうだ、他の皆さんは練習をしておいてくださいね」

 ワシを引き留めたのはピルカだ、ワシは忙しいのだ、このような所で話をしている間などない、本番が始まるまでにワシの部屋に行かねばならんのだ。


「分かりました、ピルカさんマオはお預けしますね」

 最後の望みであったサッシーはワシを生け贄として差し出そうというのか。

「マオ、終わったら最終チェックするから早く帰ってくるのよ」

 サッシーよそんなことを言うな、これではピルカから逃げることが出来ないではないか。

 ピルカよ、せめて話は手短に頼むぞ。


 ただ生け贄として出頭する前に出来る事だけやっておくとしよう。

「ルナよ聞いているか」

 小さな声でソールの腕に抱えらていたルナを呼び出した。

「ノォ~」

「ルナよ、ワシの部屋の鍵を開けておいてくれ」

「ノォ~」

 猫の姿であれば怪しまれず魔王の椅子の裏に回る事が出来るだろう、開錠の手間だけでも省くことが出来れば後はスキを見て部屋に雪崩れ込むだけだ。


「任せたぞルナ、これは重要任務だからな」

 そう言ってルナをホールへと頬り込んだ。

 やることを理解しているようで、ルナは壁沿いを猛ダッシュで奥の玉座に向かい突き進んでいる。

 黒猫である事と部屋が薄暗い事もあり、誰もルナの事を気に留める者はいない。

 よし、これなら大丈夫だろう。


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