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魔王の今現在 第3幕

 というわけでワシは今現在この部屋で生活しておるのだ・・。


「おい、ワシに話をさせておいて眠るでない」

「ん~お早うございますマオサマ」「にゃ~」

 あの舞台で話をしてもしてもよかったのだが、体育館を施錠すると言うので仕方なくワシの部屋に戻り話をしたが、ベットを椅子代わりにしたのが悪くクルリと猫のソールはおそらくであるが話し始めてすぐに深い眠りに就いていたようだ。


「もうワシは話さんぞ」

 誤解されたままでも仕方ない(内容は知らんがソールが言った事だ、誇張はされているだろうが悪い様には言ってないだろう)、もう少しクルリが大きくなってからちゃんとした事を話してやろう。


「ねえ、晩御飯はまだなの」

 丁度話が終わった所でいつものようにサッシーがワシの部屋をノックもなしに入って来た。

 隣に引っ越して来て以来、毎日のように朝食、夕食にとソールの料理を食べに来る様になってしまった、いまさら言ってもしょうがないが、こんな事なら最初から食事など食べさせるんじゃなかった。

「ああ良いぞ、すぐに用意させよう」

 しかし今日は来てもらってが助かるのだ、今日料理を作ったのは・・・。

「おまたせしましたの」

 そう本日の料理人は殺人料理を作るルナの方だ。


「あっ、マオそう言えば今日は食堂で食べようと思っていたの」

 この威力を知っているサッシーはすでに逃げようと椅子から立ち上がり、体はすでに扉の方に傾きだしている。

 そうそう、ルナの事もこの部屋に通うようになって間も無くバレて(猫の事も含めて)一騒動有ったのだが、それは別の機会にでも話してやろう。


「どこに行こうとしているなの」

 食事の準備を始めての退出をルナが許すはずもなく、サッシーのためにワシは急いで胃薬、毒消し、気付け薬を用意することを忘れなかった。

 もちろんその後すぐにに死屍累々の光景が現れたのは言うまでもない。


「だっ、だらしない奴だ、ワシは生きておるぞ」

 ワシも少しダメージを受けているので座ったままだが、用意しておいた薬を早くサッシーに渡さなくては、このまま永眠の可能性もあるな、ほらな用意しておいてよかったであろう、よく言うではないか備えあれば憂いなしとな。

「うるさいわね、あんな攻撃に耐えれるのはあなただけよ」

 ワシの用意した薬を飲みながら何とか動けるようになったサッシーはいつものようにしっかりと悪態をついている。


 これだけ元気になれれば大丈夫だな、どうだワシも優しいであろう。

「薬には感謝してるわよ、でも何でルナちゃんに料理を教えないのよ」

「ワシは自主性に任せておる、人は苦手な事を伸ばそうとしても人並み以下にしか出来ないではないか、それよりも得意分野をとことんまで伸ばした方がいいと思っておる」


「そんな考えなんだ」

「悪いか、これがワシのポリシーだ」

「だから台本を覚えられないんだ」

「そうだ・・ってそれは関係ないだろう」

「関係あるわよ、早く最後の見せ場、魔王の挨拶を覚えちゃてよね、本番まで後一週間無いんだから」

「分かった分かった任せておけ、何とかしてやろう、」

 自信があるわけではないがそうでも言わんとサッシーが納得するわけはないだろう、でないといつまでもこの部屋から帰ってくれないのは火を見るよりも明らかだ。


「分かったわ、その言葉信じてあげる・・って言うと思った」

「思っておるに決まってるではないか」

「でしょうね、だってマオの考えてることなんかすぐ分かっちゃうもんね」

「そんなに分かりやすいか」

「そうね、私のクラスの人達よりは分かりやすいわよ」

 城にいる時からそうだったがやっぱりワシは隠し事はは苦手なようだな。

「ルナもそう思うか」

 念のため確認と夕食の片づけをしているルナにも聞いてみた。

「うん、わかると思うの」

 そうか、ルナもそう思っていたのか、やっぱり思った事は即実行の精神で隠し事なく生活した方が良いな。


「ではサッシーよワシの正体にも気が付いておったのか」

「何言ってるのあなた魔王・・・」

 そうかやっぱりその事にも気が付いておったか。

「あなた魔王の所で働いている人の親族でしょ、噂になってるじゃない、入学の時に魔王金貨を持ってたって」

「いや本物の・・」


 ワシが魔王と言う事までは気がついておらんかったようだな。

 それならばそれで良い、ここで正体を明かしてもおそらくは信じずハイハイとか言って終わるのであろう。

 それならば事を荒立てることはないだろうそのまま魔王の関係者と思われておく方が何かと便利であろう。



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