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魔王 魔王城へ戻る

  急いでソールを背負うと他の物事には一切目もくれず、一直線に走り出した(ここで周りを注意深くよく見ておればこれから起こる事がほんの僅かだが予測できたかもしれないのだか)。


「今帰ったぞ」

 城の門番に向かいワシはいつものように命令をする、おや、いつもの奴ではないな、可哀想に前の門番はおそらくワシが抜け出すのを防がなかった罪を被り左遷でもされたのであろう、よしすぐにここに呼び戻してやろう(栄転または昇進とは考えていないようだ)。

「誰だお前は?魔王への挑戦者か、ならばカードを出せ」


 今の門番はどうやらワシとは気がつていないようだ、それもそうだ、学園が完成していると言う事は間違いなく1年以上経っていると見て間違いないない、しかもルナの手作りとは言えシーツを使って作った簡単な服を着ているのである、見様によっては危ないホームレスと言われても仕方ない事だ。

 つまりこの門番はしっかりと侵入者からここを守っている、ちゃんと仕事をしていると言う事でほめて使わそう。

「門番よもう良いぞ、この顔に見覚えはないか」

 そう言ってしっかりと顔を見せるため中腰になり門番にしっかりと顔を見せた。

 ここでよくある三文芝居のように『まっ、魔王様失礼しました』とか言って平伏してくれると面白いのだがな。


「何度も言わせるな、誰だお前は」

 そう誰だお前はと・・なんだとワシの顔を知らぬのか。

「ワシはこの城に主である魔王ではないか」

 しかしその門番は怪訝そうな表情を浮かべておる、おかしいのう、これで平伏すはずなのだが。

「変な事を言う奴だ、魔王様は今も城におられるではないか、しかもたった今472回目の挑戦者となった新たな勇者を軽くあしらったばかりだ」

 そんなはずはない、魔王はワシだ、では一体誰がワシの名を騙っておるのだ。


「門番よ、アスタルテを呼んでまいれ」

「アスタルテとは竜族部隊最高顧問 アスタルテ=グランド様の事か、まさか一般人に会わせるわけはないだろう」

 いつの間にそこまで昇進しておるのだ、ワシが抜け出した時はまだ一介の竜兵長ではなかったか。

「誰でもよい、上官を連れてまいれ」

「しつこい奴だ、魔王様と戦いたいなら勇者にでもなればよいだろう」

 そう言って渡されたのは勇者養成学園のパンフレットだった。

 なぜワシが勇者に成ってワシを倒さねばならぬのだ。


 こいつでは話にならん、誰でもいいワシを知っている奴は通らんのか。

 しかし残念ながら知った奴どころか誰も通らんではないか。

「まだいたのか早く立去ると良い」

 一発ぶん殴ってやりたいがワシの部下を殴るのは気が引ける、王座に戻った後に驚かせてやるのが一番面白いだろう。


 仕方ない、いつも使っていた秘密の入り口から入るとしよう。

 正門の本当に真裏に有る裏口のさらにそこから離れた所にある枯井戸は城への抜け道となっておる、これを知っておるのはワシとルナ、ソールだけのはずだ。


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