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魔王 目的地に到着する

 これですべての準備は出来たな、それでは『魔帝』とのバトルに出発しよう。

「はいにゃ」「はいですの」

 二人とも元気に返事をしてくれるが、城の奴らには・・気が付かれてはおらぬようだな。


 ワシ一人なら走って行くのだが、こいつらを連れて行くとなると・・・よし馬を出そう。

 ワシの持ち馬は名馬ばかりだがその中でも特別に素晴らしいのがいる、他の馬よりも体は二倍以上、走るスピードは空を飛ぶよう、しかも一日中走っても疲れを知らない化け物のような馬『パカランパカラン号』・・・そこの奴この名前を聞いて笑ったであろう、仕方ないではないか、この馬を譲り受けた時にはすでにこの名前が付いておったのだ、この馬も気に入っておるのか改名すると全く走ってくれんのだ。


 馬小屋よりパカランパカラン号を出し、ルナとソールをワシの前後に乗せ走り出すと一気に最高スピードに上がり、まだ開錠をしてない城の大門にぶつかるかと思った瞬間、軽々と飛び越え(決して低いわけではないからな)、城からの脱出に成功。

 後は『魔帝』の住む『闇の森』に向かい一直線に走り出した。

 ちなみのこの一直線は大袈裟ではなく途中に有った小屋とか大木を蹴散らしながら進んでいく、馬上ではその残骸から体を守らなくてはならないのが難点ではある。

 普通の人が走ると丸一日、ワシですら数時間かかる所をほんの1時間走った頃には『闇の森』が見える辺りまでたどり着いてしまった、ワシはこのスピードには平気だがルナとソールはすでにギブアップ寸前の様子だ。


 森から放たれる異様な気配によってか、それとも自分の仕事はここまでだと言いうことなのか森に一歩踏み込んだところでパカランパカラン号は急に立ち止まり、ワシらを振り落したかと思うと全速力で今来た道を引き返してしまった。

「しょうがない奴だ、頭がいいのも考え物だな」

 文句を言いながらではあるが木々に覆われ昼間でも光が入り込まない森の中をひたすら歩き続ける事約数時間、そろそろ日暮れの時間になろうとしていたとしていた。

 ちなみにこの時点ではルナやソールには呪いはまだ掛かっておらず、日が暮れようが月が沈もうが二人とも人型のままだ。

 更にこの間に魔物の類が出てきてもおかしくはないと思われるが、ここまでフワフワの一匹も出会ってはいない、それは100年も掛かってしまったがワシが、この辺り一帯の奴らの討伐を終了させておるからなのだ。


 さてここまでは良いのだ、ではこれからが本番の『魔帝』のアジトへ突入だ。

 そう、ワシらの目の前にあるのが今にも崩れそうで学校の怪談にでも出て来るような旧校舎と言った建物がそこにはあった。

「魔王様これがラスボスのアジトなのかにゃ」

「今にも何かが出て来そうなの」

 間違いなく魔物の類は出て来るぞ、それにこの姿に惑わされるなよ、この地下にある要塞の方が本丸だからな。

「魔王様さすがですの、そこまで調べているですの」

 当り前だワシが下調べもないまま攻めるわけないだろう(実際には数年前から攻略中ですでに『魔帝』のいる辺りまで戦略済なのだ)。


「よし、お前ら行くぞ」

「はいですの」「行くにゃ」

 最終決戦に向けて廃墟に突入し、下へ下へと迷路のように張り巡らされた階層を下って行った。一つだけ朗報がある、今までの森と違い嬉しい事にちゃんと魔物の類が現れてくれたので、この道中は退屈な物にならずに済んだ。

 延々と歩いていたが、ついにいかにもこの奥にラスボスがいますよと言わんばかりの今までにない大きな豪華な飾り付けのされた扉の前へと到着したのだった。

 かなり歩いて来たのだがルナもソールも息一つ乱れてないのはさすがだ。

 その扉には鍵などが掛かっている様子もなく、軽く手を振れただけで扉はゆっくりと開き始めた。

 いきなり攻撃をされたのでは全く面白くないのでここからはしっかりと防御態勢を取ってからその扉を蹴り飛ばし中へと突入した。



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