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魔王の今現在 2幕

 ・・・サッシーの出会いの話も終わりまた舞台袖・・・


「それからにゃ、何かある時はいつもサッシーが魔王様の所にいるようになったにゃ」

「のぉ~」

 ソールとルナはそんな話を舞台袖でしておるがワシはまだ舞台上でサッシーの厳しい舞台稽古の真っ最中だ。


「今の所をもう一度頭からやるわよ、そんなんじゃ本番で失敗するわよ」

「なあサッシーよ少し休まんか、ワシは疲れたぞ」

「何言ってるのマオ、一番ミスが多いいのはあなたじゃない」

「そうは言ってもな、史実と少し違うんだが」

「そんなはずないでしょ、この台本は100年以上前から代々使われて来た物よ、それにこれの原本を書いたのは魔王軍の一人だって話よ」

 そんな事を書く奴がワシの軍にはいないはずだが、いや世界制覇の後にワシの配下になった奴らの中にはひょっとしたら知らずに適当な事をした奴が紛れ込んでいるかもしれんな。

「それを書いたのは一体誰だ」

「知らないわよ、原本は博物館に保管されてるって話よ」

 そうかではそれを確認に行くとしようか。


「はいはい、じゃあ本番が終わったらゆっくり行ってらっしゃい」

 サッシーは逃げ出そうとしたワシを素早く捕まえ、舞台上に押し戻してしまった。だからワシはこいつと組みたくなかったんじゃ、しかし目的を果たすまでは大人しくしとかんとな。

 なに、目的は何かだと、決まっておるではないか同窓と正面からワシの城に帰るためだ。

 自分の城ではないかだと、もちろんそうだ、帰れない理由は話せば長くなるんでな、あまり気にするでない。


「自業自得にゃ、魔王様が悪いにゃ」

「なになに、マオサマの事?パパが言ってたよ「吾輩たちの迷惑を考えない奴だ」って、一体何が有ったのソール御姉さま聞かせてよ」

 御姉さまと言われて機嫌がいいソールは今にもワシの秘密を話しそうだ、いかんぞ話したら恥ずかしいではないか。


「コラ何を見てるの、また逃げ出そうとして・・・マオは特訓ね、じゃあ今日はここまでにしましょう、他の人は帰っていいわ」

 コラ薄情者、ワシとサッシーを残して他の者達はクモの子を散らすようにさっさと帰ってしまったではないか。

「じゃあ始めるわよ、魔王が勇者にこの学園を作るようもう一度促すところからね」

 向こうでクルリにソールが話しているのも気になるがもう止めるのは不可能だろう、ある事無い事言われて傷が大きくなる前にこの演劇を完璧に終わらせてここを早く切り抜けるのが先だな。どうせ向こうに行こうとすると連れ戻されるのがおちだ。


「ではサッシーよ始めるぞ」

「いいわ、やってちょうだい」

 先程勇者に耳打ちをしていた態勢になった所からスタートだな。

「ゆうしゃよわしのためにゆうしゃをそだててはくれぬか」


「カットカット、なにセリフを棒読みで言ってるのよ、なんでさっきよりひどくなるのよ」

「仕方ないであろう、ワシ一人でやっても盛り上がらないではないか、そうだお前が勇者役をやってはくれぬか」

「私が、勇者役を・・いいわやってあげる、その代り容赦はしないわよ」

「良かろうかかってこい」


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