出逢いその先に
カブールの秘密を知ってから二ヶ月が過ぎた頃、
俺は再びあの喫茶店にいた。
しかし、状況が前とは違った。
女性がいる、そして俺はけがをしている。
なぜ、こうなったかというと数時間前
「おぃ、あれ見ろよ」
カブールと買い物に行く途中の道に
数人の柄の悪そうなやつが
同年代ぐらいの子を取り囲んでいた。
「どうする?」
そう聞かれたら、止めるとしか答えられないだろ。
心の中で、そんなことを思いながら俺は、
「おぃ」
相手の肩に手をかけそういった瞬間、俺は宙に飛んだ。
なんだか理解できなかった、というよりも理解したくなかった
俺は囲まれていた娘にやられたのだ。
地面に体を叩きつけられたあとに少しして
柄の悪そうな奴らが逃げていった。
その後、さっきの子が謝りに来た、
俺を柄の悪い奴らの仲間だと思ったらしい。
そして、そのお詫びとして喫茶店で好きな物をごちそうするらしい。
まぁ、不幸中の幸いと思えば・・・というか思わないとやっていけない。
それが、リンとの出逢いだった。
本人は女らしくない名前に不満を持っているらしい、
でもその前に怪力どうにかしろよと思ったけど口には
出さなかった、てか出せなかった(怖くて)
この、新しい出逢いが事件の10日前だった。