秘密
カブールと出会って1ヶ月とちょっとして、俺は喫茶店に呼ばれた。
そこで、カブールが話したのは
衝撃の事実であった。
「実は俺、能力者なんだ。」
「えっ!」
あまりにも唐突過ぎて声を張り上げてしまった。
「おい、静かにしろよ。他の人に聞こえるだろ。」
「あぁ、すまん」
この世界で、能力者と言うと
ホントに少ししかいなく大変珍しい存在なのだ。
しかし、ここの能力は才能でも
努力でも手に入らない。
能力を得る方法は1つ、能力者が非能力者に
能力を移す。
しかも、亡くなる直前にその人の最も好意(その能力を使って欲しい)人物に移るらしい。
カブールの場合、父親から念動力の中の物体移動
という能力を受け継いだらしい。
正直、能力でコーヒーの入ったカップを動かすまで疑っていた。
「・・・本当だったんだな。疑ってすまん。」
「全くだ、俺は嘘と冗談は言わないことを信条としているからな。」
「またか、それが嘘と冗談じゃねぇか。」
そんな会話をしていたが、内心では震えが止まらなかった。
能力者の中には、前の能力者がトラウマになってしまい
使わない人もいるそうだ。
それが、あの事件の100日を切った頃だった。