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運命の赤い糸電話~都市伝説は用法・用量を守って~

作者: ゆきあき

 あなたは「運命の赤い糸電話」という都市伝説をご存じですか?

 

 まずあなたの左手の小指をたてます。次に親指と残りの三本の指で輪っかを作ってください。少しOKサインに似た形が作れましたね。これであなたの糸電話は完成です。

 その手の輪っかの部分に耳をあてる、もしくは声を吹き込んでみてください。もしあなたの運命の相手が同様の所作をしていれば、お互い運命の赤い糸を伝わって相手と通話することができるでしょう。

 あ、今一人の女の子が運命の赤い糸電話を試していますね。

「もしもし・・・、もしもし・・・、もしもし・・・」

 でも、いくらやってもその左手からは何の反応も返ってきません。女の子はがっかりしています。でも諦めてはいないようです。運命の相手に届くままで頑張るんだと決意を新たにしたようです。

 ・・・残念ながら彼女の願いは叶わないでしょう。何故なら彼女はこの都市伝説の使い方を間違っているからです。

 では、正しい使い方とは・・・あ、ちょうどそこのベンチに隣あって座っている男女が正しい使い方を実践しています。見てみましょう。

 まず女の子の方が「運命の赤い糸電話」の話をしました。次にお互いに小指をたて、残りの指で輪っかを作りました。そして・・・

「もしもし・・・、ねえ、私の声聞こえる」

「聞こえるよ。もしもし・・・、僕の声も聞こえる?」

「うん、もちろん。お互いに声が聞こえたから私たちってやっぱり運命の恋人なんだね」

「当たり前さ。大好きだよ」

「うん、わたしも大好き」

 あらあら、二人はラブラブな雰囲気でキスをはじめちゃいました。隣で喋っているのだから声が聞こえるのは当たり前なんですけどね。

 さて、もうお分かりですね。この都市伝説は、まだ見ぬ恋人を捜すものではなく、今隣にいる恋人とより親密になるために生まれたものなのです。内容を言葉通りに受け取っては駄目ですよ。全ての物事に作られた意図があります。裏を読み、正しく使って幸せになってくださいね。

 

 都市伝説は用法・用量を守って正しく使いましょう。


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