3話 優斗の部屋
遅くなってすみません。
シーン……
やばい。やばいやばいやばいやばいやばいやばい
(めっちゃ気まずい…。)
母さんが出た後も俺たちは呆然と玄関でに立ち尽くしていた。
ここにいる全員が動揺し、なおかつ頬が赤く染まっていた。
「と、とりあえずあがろうよ。おにいも。」
「お、おう。そそ、そうだな。」
「はい…。」
麻里穂ナイスだ!
が、未だにここが修羅場なのは変わっていない。
クソッ!こんな時の切り抜け方なんて前世の記憶を持ってしても知らない。
だがまあ話し出さない限り状況は変わらないのだ。
俺は全員がリビングの椅子で相対したところで口を開いた。
「あ、あの〜星音さん?」
「は、はい!」
「えと〜先ほどの事なんですけど。」
「えっと…。」
星音が先ほどの事を思い出したのかまた赤くなった。
「すいませんでしたッーー!」
俺は華麗なフォームでジャンピング土下座を決めて星音に謝罪した。
「えっ⁉︎せせ、先輩⁉︎顔をあげてください。」
「いや、それは出来ない。どうかどうか御許しを!」
「べ、別に怒ってないですし、ちょっと恥ずかしかっただけなのでそんな土下座なんかしないでください。」
「うーんでもなぁ。何もしないのは俺が嫌なんだ。……じゃあ俺が星音のお願いを1つ聞くっていうのはどうだ?」
「いいんですか先輩?」
「うん、何もしないのは俺の気が済まないからな。」
星音は怒ってないと言うが(母さんが)あんなセクハラまがいな事をして
何もしないと言うのは俺の気持ちが収まらない。
「じゃあ私のことを名前で呼んでください。」
「「え?」」
「流石にそれは…。」
流石にそれはやばいだろ。何か勘違いするやつも出てくるだろうし。
「なんでもいいんですよね?」
「いや、でも。」
「私のこと嫌いなんですか?」
「いや、嫌いじゃないんだが…。」
「じゃあ名前で呼んでください。」
星音が腰を屈めて上目遣いで言ってきた。
こんなの誘導尋問だろ。
「わかったよ。」
「私だけじゃなくて凛ちゃんまで名前呼びになるの…?」
「そうなるな。」
「私も先輩のこと優斗先輩って呼びます。」
「それじゃあお返しの意味がなくないか?」
さっきのセクハラ案件(母さんによる)へのお返しなのに星音まで俺を名前で呼び始めたら意味がないだろう。
「そんなの察してください。建前ですよ。た・て・ま・え」
そういうものなのだろうか。星音が顔を近づけてそう言った。ふわりと柔軟剤の香りがした。
女心が分からん俺でも分かることがある。俺って絶対星音に好かれてるよな。
「では早速呼んでください。」
「わかったよ。…凛。」
「はぅ…。も、もう一回お願いします。」
「凛。」
「はぅぅ…。」
凛がその場で悶え始めた。
「ちょっと凛ちゃんそれにおにいも、私を忘れて目の前でいちゃいちゃしないでよ。」
「麻里穂、どこでそんな言葉を覚えてきたんだ?」
「いちゃいちゃぐらい知っているでしょ!シスコンきもい。」
「麻里穂はシスコンまで知ってしまったのか…。どうしたものか…。」
「はいはい。凛ちゃん、このままここで話しているのもなんだし何かしよう。」
「うん。」
「何する?」
確かに修羅場を脱したのにずっとこのまま話しておくのは得策じゃないからな。
麻里穂ナイスだ!
「では優斗先輩の部屋を見てみたいです。」
「okじゃあ行こう!」
「えっ⁉︎流石に…。」
「何おにい、部屋にでもなんかあるの?」
「い、いえ。何もございません!」
「じゃあいいよね?」
「…。」
また誘導尋問されてしまった。この人たち誘導尋問上手すぎないか?
そういうものは何もなかったはずだからいいんだけど、単純に異性を部屋に入れたことがないからめちゃくちゃ緊張している。
***
とやかく言う筋合いは俺にはないので麻里穂達を素直に部屋に入れる。
結構綺麗にしてあるから変に思われることはないだろう。
「意外と綺麗なんですね。」
「確かに。」
「麻里ちゃんは優斗先輩の部屋よく来る?」
「あんまり来ないよ。」
いくら兄妹とはいえお互いの部屋に入る機会はあまりないだろう。
「でもおにいの薄い本の隠し場所なら知ってるよ。」
「ファッ⁉︎」
「え⁉︎どこどこ?」
優斗でさえ忘れている薄い本だと⁉︎そんなものが⁉︎見たい!
そういうと麻里穂は本棚の奥を弄り始め一冊の本を取り出した。
「よいしょっと…。これこれ。」
「「ファッ⁉︎」」
麻里穂は『生クリーム⭐︎decoration sweet♡』(※おそらくR18)
という題名の薄い本を取り出した。
表紙にはホイップクリームでdecorationされたメスガキロリがいた。
そういう本にはその人の癖が忠実に反映される。
つまり優斗の性癖は生クリームにメスガキロリというわけか…。
「へぇ…。先輩はこうゆうのが好きなんですね…。」
「否定できないのが悔しい。」
「おにいシスコンとロリコンを制覇したらもう怖いものなしでしょ。」
「そうだな。そうだよなぁ!」
「おまけに生クリーム…流石に引かれるよ?」
「大丈夫だ麻里穂。俺はお姉までいけるぞ。」
「そういう問題じゃないし、守備範囲広過ぎでしょ…。」
流石に引かれるよな…。自分でもやばいと思う。
でもしょうがないじゃないか。本能には抗えない。
「はいはいこの話は終わり。俺の部屋でなんかするんだろ。」
「あっ私は今日、回収されなかってけど終わってない春休みの宿題があるのでそれをやります。」
「私も終わってないんだった…。」
「じゃあそういうことだな。俺はその本を読んでおくから。」
「「ええ〜私も読みたいのに。」」
そうして俺は本を麻里穂から奪い取り黙読し始めた。
麻里穂達もチラチラこちらを見てくるが捗っているようだ。
にしてもこの本ガチでR18作品だった。
メスガキのロリをおっさんが生クリームを味方に調教する話だった。
麻里穂には絶対見せるわけにはいかないな。
***
ーガチャー
本を読んでいると母さんが帰ってきた。
先ほどの誤解を解かないと…。
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