2話 入学式
投稿が不定期ですみません。
ザワザワ
俺はかなり動揺していたが、ずっと扉の前に立っているわけにはいかないので、
とりあえず出席番号順の自分の席に座る。クラスは四十人くらいいそうだった。
するとーガラガラッーと扉が開き、先生が入ってきた。
先生は男で50代くらいに見え、優しそうだったが頭頂部が怪しかった。
「はいじゃぁお前ら時間じゃけぇ席につけよ。」
先生がそういうとざわざわと生徒たちは自分の席に着いた。
「春休み明けじゃけぇたいぎいと思うがまずはわしの自己紹介から。今年度このクラスと社会科を担当する築谷正和と申します。1年間よろしくな。」
「「「「「「「「お願いします‼︎」」」」」」」」
この先生めちゃくちゃ広島弁だった。まあここ広島だしそういう人もいるだろう。
「皆これから3年間この学校に通うんじゃけぇ徐々に慣れていってのう。」
「「「「「「「「はい‼︎」」」」」」」」
「じゃあまずは出席をとっていくけぇの。秋山。」「はい!」
「井上。」「はい‼︎」
「今貝。」「はい…」
***
「初日は全員おるな。じゃあお前ら出席番号順に並んで講堂に行くけぇの。」
その一言で俺たちは廊下に並んだ。
「なぁ、葉山、だっけ?これからよろしくな。」
「ああ、氷見山…だったか?」
「うん。合ってる。」
一つ後ろの氷見山陸が声をかけてくれた。
童顔で、身長は165cmくらいだった。顔もいいしショタ的な感じで意外とモテるんじゃないだろうか。
「葉山って趣味とかあんの?」
「趣味か?う〜んそうだな…アニメとかかな。」
「あ、俺もアニメ好きだぜ。どんなの見るんだ?」
「そうだな…魔術回線とかだな。」
「あ〜公式展開のシーンとか熱いよな。」
「あ!そこいいよな!」
「お前ら静かにせい!もう講堂に入るんじゃけぇ。入ったら前から順に座っていけ。」
おっと、氷見山との会話に盛り上がりすぎてしまった。次からは気をつけよう。
この講堂は老朽化により最近改装されて新築という感じだった。
2000人ぐらい入れそうだ。席に座るとまた氷見山が話しかけてくれた。
「なぁ葉山」
「なんだ氷見山?てか葉山は堅苦しいから優斗でいいよ。」
「いいのか⁉︎じゃあ優斗も俺のことは下の名前で呼べよ。」
「ああ、いいぞ。」
「じゃあもう俺たち、友達だな!」
「おう!」
正直俺は、友達ができてすごく嬉しかった。実際、前世ではあまり馴染めなかったのでうまくやっていけるか不安だったのだ。高校初日でこれはすごくでかいアドバンテージだ。俺個人も陸とは仲良くしていきたいと思った。
「ごほんッ!それでは時間になりましたので2026年度大堂学院高等学校第76回入学式を始めます。新入生起立!…礼!」
入学式が司会の先生の掛け声によって始まった。
「まずは校長先生からのお話です。」
「え〜皆さんまずは受験お疲れ様でした。そして御入学おめでとうございます!」
どこの学校でも校長先生の話が長いのは共通だ。
しかし聴いていると意外とまともなことを言っているので、文章力がないというわけではなくただただ言いたいことが多すぎるだけなんだろう。
「……それでは私からは以上です。」
「それでは次に………」
***
「それでは以上で2026年度大堂学院高等学校第76回入学式を閉幕します。新入生起立!…礼!…それでは新入生は担任の指示に従い各自教室に戻りなさい。」
「お前ら静かに教室に戻れよ。」
式は滞りなく行われ無事終了した。にしても入学式ってやっぱり長いな。大したことはしていないのに1時間強かかった。映画ならまだしもずっとつまらないのにじっと座っているのは、やはり何度やっても慣れない。そんなことを思っているとすぐ教室に着いた。
「じゃあ今日はもうこれで終わりじゃけぇ気をつけて帰れよ。」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
ふーやっと終わった。久しぶりの学校で疲れたし帰ったら休もう。
「なぁ優斗、一緒に帰ろうぜ?」
「おう。帰ろ帰ろ。」
そういい俺たちは昇降口で靴を履き替え校門へ向かうと、なぜだか校門前に人だかりができていた。
とりあえず向かってみる。
「なんなんだ?」
「あっおにい!」
「あっ先輩!」
するとなぜか制服姿の麻里穂がいて俺を呼んだ。
そしてもう1人は優斗の中学の後輩で、麻里穂の同級生の星音凛だ。
この子もめっちゃ可愛いんだよな。身長は160cmくらいで髪はふわりと柔らかそうな銀髪ロングのポニテだ。
男子校だって知った時は終わったと思ったけど、さすがラブコメ主人公といったところか。
「えっ⁉︎お前らなんでいるんだ?」
「むぅ…せっかく待ってあげていたというのにおにいったら。」
「そうですよ先輩!ひどいじゃないですか!」
「なんで俺が責められているんだよ⁉︎」
「こんな美少女2人が待ってあげていたのに何も思わないんですか?」
「そうだ!そうだ!」
「そりゃあ思うところはあるだろ!」
俺はなぜか麻里穂達に責められていた。
「君の話を聞かせてもらおうか?ゆ・う・と・くん?」
陸がニコニコと笑顔でそう言ってきた。周りの男子校生徒達もニコニコと笑顔だった。
あ、死んだな。
男子校ではただでさえ女子がいないので、彼女もしくは仲がいい女子がいるだけで処されるのだ。
それなのに、美少女2人が校門前で待ってくれているなど、
断罪だ。殺す。爆散しろ。
「殺す殺す殺す殺す殺す殺す……」
「ぬああぁっぁぁっぁっぁぁぁぁああああ、うあぁぁっぁっぁっぁあ!……ンあぁっっぁっっあっあっあっああああああああああああああ!」
「俺、昔柔道やってたんだ。」
「爆散しろ!砕け散れ!灰になれ!Xプロージョンッ!」
「爺ちゃんちにあった宝刀はこう言う時に使うんだな。」
「呪呪呪呪呪呪呪呪呪」
「殺るしかねぇなぁ!」
「もちろん俺らは抵抗するで?この不条理に。(パンッ)物理で。31歳。」
「誠に遺憾です。残念です。ボクですか?泣く泣く童貞です。」
「ぬあぁぁぁぁあああッ!焼きますねぇ!」
男子校生徒達は全員揃って俺を殺そうとしている…。
あるものは関節を鳴らし、あるものはその場に崩れ落ち、あるものは叫び始め、
あるものは宗三左文字を引き抜き(犯罪)、あるものは魔術を使おうとしている。
そしてなんか殺人銃火器になった夜襲先輩もいるし、泣く童も…。
てかなんで31歳の独身物理教師まで入ってきてるんだよ。
バリエーション多いな!
「まあまあ、とりあえず話を聴こう。ゆ・う・と・くん?」
「あ、ああ。」
相変わらず陸は笑顔だったが目が笑っていなかった。
正直に言った方がいいだろう。
「背の低い方が俺の妹で、もう片方が俺の中学時代の後輩だ。お前らが思っているような関係じゃない。」
「…わかった。ゆうとくんの言っていること信じよう。というかそう信じたい。十分許せんが……。」
ふー。危なかった。でもなんとかなりそうだ。
俺は冷や汗を流しながら平静を装う。男子生徒達もなんとか落ち着いたようだ。
「え〜私達はそういう関係になりたいんですけどね。」
「うんうん。」
「「「「「「「「は?」」」」」」」」 「は?」
星音がザ・爆弾発言を落とした。麻里穂も頷いていた。
「「「「「「「「……。」」」」」」」」 「……。」
男子校生徒達は数秒の間、沈黙して顔を見合わした。
「これは自滅…なのか?」
「いやこれはおそらく俺ら泣く童を弄ぶための彼奴等の計画的犯行だ。」
「「「「「「「「弁解の余地はないな。」」」」」」」」
「「「「「「「「よし殺せ。」」」」」」」」
俺は宗三左文字を持って突撃してきた剣道部員の攻撃をなんとか交わす。
「終わった…早く行こう逃げるぞ。」
「えっ⁉︎」
「あぅ。」
俺は一心不乱にその場から離れた。……………………麻里穂達の手を引いて…。
俺は家の近くの公園まで来た。
「はぁはぁ、ここまで来れば大丈夫だろ。」
「う、うん。」
「はい…。」
「あっ、悪い…。」
俺は麻里穂達と手を繋いでいたことに気付き、手を離した。
2人とも顔がほんのりと赤みがかっていた。
「いや…。全然大丈夫。」
「わ、私も…です。」
「そ、そうか…。」
意外と何も言われなかったのでかなり安心した。
近頃はコンプラ的に周りの目もあり、厳しい時代だからな。
「ねぇ凛!だからやめようって言ったじゃん!」
「でも学校に先輩がいなくて寂しっかたんだもん!麻里ちゃんだってそうでしょ!」
もんは可愛すぎだろ…。
「うっ、それは…。でもやっぱりあそこは狼ばっかりなんだからやめた方がいいよ。」
「おい、麻里穂偏見がすぎるぞ。確かに狼かもしれないけど、実際に女子を前にすると緊張して固って何もしない、というかできないんだ…と本で読んだことがある。だから頼むから狼じゃなくて紳士と呼んでやってくれ。」
麻里穂がすごい偏見を持っていたので俺は直ちに訂正した。
「紳士というよりヘタレなんじゃない?」
「だからそれ以上言わないでくれ。」
「はぁ、わかった。おにいがそこまで言うなら。」
「うん。」
麻里穂って結構男嫌いなのかもしれない。
「ねぇ凛ちゃん。うち近くだし来ない?おにいもいいよね?」
「うん、いいぞ。」
「ならお言葉に甘えさせていただきます!」
***
「「ただいま。」」 「し、失礼します。」
星音はうち来るの初めてだったな。
「あら、いらっsy…………………。 えっ⁉︎優斗に彼女⁉︎」
「いや、ちが。」 「お母さんちょっとコンビニに用事ができたわ!0.05でいいわよね!あと父さんの部屋にPCがあるからそれで予習しててね!」
「は⁉︎ちょっ、まっ……………………。」
「「「……………………。」」」
どうしよ………………修羅場?
最後まで呼んでいただきありがとうございます♪




