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仮面の魔術師様!有能お嬢様登場のようです!


シオンが目を瞑り身構えていると風が吹いてきたのが感じ取れた。

そっと目を開けると瓦礫は宙に浮いて止まっていた。


!?


何が起こったのかとあたりを見回していると上から声が聞こえた。


「お二人とも大丈夫ですか!早く捕まってくださいまし!」


そこには宙に浮ている柔らかい白金の髪を揺らした少女がこちらに手を差し伸べていた。


「えっと、あなたは?」


リリィも少女に気づいたのかそう声をかける。

その少女ははっと何かに気づいたように姿勢を正し制服の裾を持ち上げてお辞儀をする。

それはとても美しく完璧だった。


「わたくしとしたことが申し訳ありません。

名乗り遅れましたが一年三組、クラリス・アストレイアですわ!以後よろしくお願いいたします。」


そう名乗ったクラリスはニコりと微笑む。


三組俺と同じクラスか。うーんなんかいたようないなかったようなー


シオンがうなっているとクラリスは顔を引き締めて続ける。


「そちらはシオン・フェルグレイル様とリリィ・フェルグレイル様ですわよね?今は一刻も早くここを出ましょう。わたくしは飛行魔術が使えるのでご安心くださいまし!」


クラリスはにっこりと微笑んでいるが少し焦りの表情が出ている。


それもそうだ。飛行魔術は高度な技術と運動神経が要される。

風魔法が使えても飛行魔術を使えるものはすくない。

それも二人を連れてとなるとなおさら。


「・・・俺は残るよ。クラリスさんに負担がかかるのは良くない。リリィだけでも頼めるかな?」


「っ!・・・」


クラリスはシオンの言葉を否定しようとしたが自信がないのだろう。結局黙り込んでしまった。


「・・逃げる時は二人でではなかったのですが?」


クラリスがいるからかリリィは口調を変えてシオンにそう言う。


「クラリスさんと二人だろ?・・冗談だって。大丈夫!俺は自力でなんとかするから!」


リリィに睨まれたので誤魔化しつつ俺は笑顔を作る。


本当は怖い。だけど諦めたわけではない。

一人でなら脱出方法はいくらでもあるのだ。


その事をわかっているのだろう。リリィもそれ以上は何もいわない。


「クラリス様、お願いできますか?」


「っ、わかりましたわ。ではシオン様、ご武運を・・」


そう言ってクラリス達は夜の空へと飛んでいった。


「・・さて、俺も脱出しないとな。」


カイトと、友達と約束したしな。


そう小さく笑い、魔法を使おうとしたときだった。


!?


シオンの体に激痛がはしる。

シオンはうずくまりもがきながら考える。


はあ、はあ。・・あぁそうか魔力が馴染んでないんだ。


魔力を作ったり他者の魔力を吸収したりする時、自分の体に馴染むまでには時間がかかる。

少量なら問題ないが大量に摂取すると馴染むまでこうやって激痛が走る。


あぁ!!はあはあ、はあ、・・・これやばいかもっな。

・・・ごめん・・かい、と、約束まもれ、ないか・・も・・・


そうしてシオンの意識は途絶えた。



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