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仮面の魔術師様!妹を助けにいくようです!



シオンとカイトは急いで男子寮を抜け女子力周辺まで来ていた。

そこはたくさんの人だかりができていて完全に錯乱状態だ。

それを先生たちが抑えようとしているが、中々収まらない。

それもそうだ。ここにいるほとんどの生徒は安全な地域で暮らしてきた貴族たちなのだ。

火事なんてそうそう見かけることもないだろう。

それもこれほど大きな火だと。


寮はほとんど木製で、シオンたちが走っている間も火は膨れ上がっていたようだ。


これほど大きな火だと特別部隊が来るまで待つしかなさそうだけど・・


辺りを見回したがどこにもリリィの姿が見えない。

嫌な予感を覚え近くにいた女子生徒に声をかける。


「あの、リリィ、一年のリリィ・フェルグレイルを知りませんか?」


「あ、えっと、実はリリィさんは逃げきれていない人を探すと言って残ってしまって。もしかしたらまだあの中に・・」


「!!」


シオンが炎の上がる方へと走り出そうとすると突然シオンの手首が掴まれる。


「おい!何をするつもりだ!あの中に入ったらお前もタダじゃ済まないぞ!」


「カイト、頼む離してくれ。」


「ダメだ!お前の妹は優等生なんだろ?もしかしたら自力でかえっ」


「たった一人の家族なんだ!!頼むカイト。"もしかしたら"じゃだめなんだ。リリィだってまだ14歳の見習い魔術師なんだよ!」


「!・・・」


カイトの手がそっと手首から離れる。


「わかった。ただし、絶対戻ってこいよ!こんなとこで友達を失いたくないからな!」


カイトの言葉はどこか勇気をくれるようなそんな言葉だった。


「!当たり前だろ!こんなとこで人生終わらせてたまるか!」


それはリリィも同じだ。絶対二人生き残って帰ってやる!


そう意気込んだ時だった。


炎の中から赤い毛並みの狼が出てきたのは。


「「!?」」


シオンは驚愕と同時に恐怖を覚える。


!寮の中から魔物が出てきた!?

確かにこの炎には魔力反応を感じる。

そして、魔物は魔力が集まって突然変異したものだ。

だから魔力の濃い森やその周辺に現れる。

だけどここは一般学生寮だぞ!?魔力なんてほとんどない!

なのに炎の中からは狼が何体も出てきた。


あの炎はどれだけ魔力がこもっているんだ!!


その結論にいきつきシオンの顔から血の気が引く。


いや!魔力が集まっているなら一刻も早くリリィを助けないと!

でも、俺にはあの魔物と戦っている暇なんてないぞ!


シオンが焦っていると、隣にいたカイトが一歩前にでてなぜか持ってきている剣を抜く。


「俺があいつらを倒しとくからシオンはリリィさんを助けにいけ!」


「でも・・」


狼じたいはそこまで強くないとはいえ何体もいれば脅威になる。

とても見習い魔術師のカイトで手に負えるような相手じゃ・・・


「任せとけ!これでも俺は騎士団長の息子なんだからな!!」


え?初耳?って!そんなこと考えてる暇はない!


「ありがとう!カイト!絶対生き残れよ!!」


「おう!そっちもな!」


そしてシオンは火が燃え上がる寮に足を踏み入れた。

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