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仮面の魔術師様!編入早々注目されているようです!

「はーい!ついに、皆さんも2年生になりました!

今年一年を担当する担任のアイル・ロンドです!

そして!なんと!今日は編入生を紹介します!シオンさん!入ってきて!」


アイル先生に促され教室に入ると教室がざわめきだした。

だが、これは編入生ならではのざわめきではない。


え、なになに?俺何かやらかした?まさか、仮面の魔術師ってことバレてないよね?


「はーい!それでは自己紹介をしてね。」


あ!そうだ!自己紹介!第一印象は大事だからな!

えーと、「はじめまして!シオンです!」こんな感じかな?


頭の中でイメージしていると一人の男子生徒の声が聞こえた。


「え、ちっさ。女の子?」


ピキリ。


シオンの中で何かが切れた。

そして、その男子生徒に続きその他の生徒も口々に言っていく。


「え、本当に2年生?」


「女の子かな?」


「え、でも、制服が男性用だよ?」


シオンのコンプレックスである"小さい"と"女の子みたい"を同時に指摘されシオンの内心はぶちギレ状態だ。


「しすがにして。じゃあシオンさん自己紹介してくれる?」


「・・シオン・フェルグレイル。性別は男で年齢は15です!」


結局、心の中で考えていた台本は無視して性別と年齢を強調してしまった。

内心やってしまったかと思っているとさらにクラスがどよめきはじめた。


「え、フェルグレイル!?この学園の試験で全て最大得点を超えたっていう!?」


「いや、シオンって言ってたから違うんじゃないか?」


「もしかしてリリィ様の兄妹!?」


・・・・俺の家族にリリィは一人しか思い浮かばないんですが?え?なに?リリィさん?何やったの??


「はーい!みんな騒がない!じゃあシオンさんはあそこの席に座ってね!」


アイル先生はみんなを宥めてから一つの席を指差す


先生に言われた席は最初に俺を"ちっさい"だの"女だの"いって来たやつの隣だった。


うっ、あいつの隣か。最初がアレだからな。

嫌味を言ってきたらどうしよう。


不安になりながら席に座ると、あちらから声をかけてきた。


「俺、カイト・サンフィールド!気軽にカイトって呼んでくれよな!さっきはごめんな?ちっさいなんて言って。悪気はなかったんだ。」


カイトと名乗る少年は眉を下げて申し訳なさそうに謝った。


!なんだ!案外いいやつじゃないか!

こっちこそ、怒ったり酷い事考えてごめん!

一年間一緒にいるんだし仲良くなれるなら仲良くしといた方がいいよな!


シオンは案外根に持たない性格なので、すっかり気を良くし、挨拶を返す。


「別にいいよ。俺のことはシオンって呼んでくれよな!カイト!」


シオンはさっきの怒りが嘘のような笑顔でカイトに接する。


「!うん!よろしく!仲良くしような!」


シオンが怒ってないとわかりカイトは安心したように笑う。


友好的だ!さっきまで怒っていた自分が馬鹿らしい!カイトと隣でよかった!

俺の学園生活順調なんじゃないか!?


(一旦妹の事は考えないようにしよう。)


そんな感じでシオンが喜んでいると、カイトはニコニコしながら爆弾発言をしてきた。


「そういえばシオンは仮面の魔術師しってる!?」


前言撤回!先生!今すぐ席を変えてください!


「はーい!じゃあ一年間同じ席だから近くの子とは仲良くしてね!」


なんて事だ。早速ピンチじゃないか!

うぅ、どうしよう!見てよ!あのカイトの期待に満ちた目!

何アレ!仮面の魔術師まだ有名なの!?早く忘れられて!


「仮面の魔術師ってすごいよな!一人で魔物の軍を葬ったり!伝説の黒竜とも戦ったんだぜ!最後には魔王まで封印して!かっこいいよな!俺もあんな風になりたくてここに来たんだ!」


カイトは興奮気味に仮面の魔術師について話してくる。

恥ずかしさと言いたい事は色々とあるが一つだけ言わせてくれ。

やめとけ。一生の傷になるぞ。


俺が仮面の魔術師にどれだけ苦しまされたことか!

なので、まだ純粋なカイトには俺の二の舞になって欲しくない。

何よりカイトが真似をやりだしたら実質俺がやってきた事を見るようなものだ!

俺の心をこれ以上えぐらないでくれ!


"もし本気でやろうとしたら俺が止めてやろう!"とシオンは密かに決意した。


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