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このゲーム、君に届けたい  作者: 天月瞳
六作目『記憶墜落』
66/70

【絢音】謝罪会見ッ!と少し雑談

病気が治ってすぐに、絢音は鈴宮琉璃として謝罪の配信を行った。

背景には、よくある「スーツ姿の男性3人が頭を下げている」謝罪用のフリー素材が使われていて、

その中央に立っているのは、白いワンピースに桜色のショールを羽織った清楚な美少女、鈴宮琉璃だった。

彼女は申し訳なさそうに画面を見つめている。


「ご心配をおかけしました、ほんとにごめんなさい」


:おかえり~

:元気になってよかった

:今はもう大丈夫?


「ただいま~はい、今はもうすっかり元気になりましたよ。皆さんが心配してくれて、ありがとうございます」

絢音は状況の説明を始めた。


「まだご存じない方のために簡単に説明しますと、前回の配信の最後に、少しだけ意識を失ってしまいました」


:マジで?それヤバくない?

:気絶!?

:じゃあ配信を切ったのはお母さん?


「いえ、あれは友達が手伝ってくれました。そして次の日に病院に行ったら、熱が38度ありまして、歩くのもしんどいくらいで、その場で点滴を打って、解熱剤を飲んでから帰宅しました」

絢音は「友達」とごまかしつつ、説明を続けた。


:38度!?

:高熱じゃん

:どうりで様子おかしかったわけだ

:友達?


「うん、気づいてた視聴者の方も多かったと思いますけど、最後まではなんとか持つと思って続けてたんです。

でも最後は気絶しちゃって……」


絢音はコメントを読みながら、心の中で申し訳なさを感じていた。


:ゲームクリアして安心しちゃったんだね

:わかる~

:自分もレポート書き終えて気絶したことある


「レポート書き終えて気絶って、それも相当危ないよ」


:いや、それは琉璃ちゃんに言われたくないw

:学生の夜更かし、いつものことだ

:締切前のレポート地獄、あるある

:あるあるw


「そうなんだ……。とにかく、今後はもっと気をつけて、みんなに心配をかけないようにしますね」


:了解

:身体を大事にね、無理しないで~


「それじゃあ、ここからはちょっと雑談タイムにしましょう。まずは前回の【記憶墜落】の感想から」

絢音は話題を切り替え、前回の配信で話しそびれたゲームについて語り始めた。


:あのゲームの雰囲気、けっこう好きだったな~

:ストーリーはちょっと難しかった

:キャラはよかったね


「うん、正直、私もよく分かってなかったんだけど、

こういう考察系のゲームって、考えれば考えるほど面白くなってくるよね」

絢音はそう言いながら、心の中で(瞳って、本当にあれを全部自分で考えたの?頭の中、どうなってるの……)とこっそり疑問に思っていた。


:確かに

:ネットでたくさん考察動画上がってたよ

:主人公は博士じゃなくて、実はAI説もあるとか


「主人公が博士じゃないって?へーそんなの?

でも全体的にすごく楽しかったよ。落下するシーンごとに演出が違ってて、けっこう衝撃的だったな~」

絢音は以前のシーンを思い出しながら、特に印象に残った場面について語った。


「今度時間があったら、他の人の考察も見てみようかな。

それから、次のゲームについてだけど──」



絢音は視聴者にいくつかゲームのおすすめを聞いてみた。

その多くは、すでに『やりたいリスト』に入っていたタイトルだった。

知らなかったタイトルについても、後でチェックする予定。


絢音自身、ゲームを探す過程がとても好き。

新しいゲームとの出会いや、昔遊んだゲームを見つけた時は、いつも嬉しくなるのだ。


その後は、最近流行っている話題について雑談を続けた。

たとえば、最近観た映画や、読んだ漫画についてなど。


「うん、漫画だったら、最近読んだのは、小柄な男の子が主人公で、

大きな女の子がヒロインの恋愛漫画。けっこう良かったよ」


:意外~、琉璃ちゃんって恋愛漫画も読むんだ

:バトルとか冒険系しか読まないタイプかとw

:趣味が少年っぽい琉璃ちゃんがまさかの!?

:その漫画、自分も読んだ!けっこう面白かったよ!


「ははっ、よく『趣味が男の子っぽい』って言われるけど、恋愛漫画だってちゃんと読むんだからね!」

琉璃は笑いながら画面の端の時計に目をやった。


「うん、そろそろお時間ですね。今日はこのへんで、おつるり~!」


:おつるり~!今日も最高だった!

:体調には気をつけてね、またね~

:お大事に、おつ~!


配信が終わり、画面が切り替わると、部屋には静けさが戻った。

絢音は椅子にもたれ、ふぅっと小さく息を吐いた。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感想や見たいもの、誤字などがあればぜひ教えてください!

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