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風蝶草
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風に揺れ 惑う指先 風蝶草
触れれば痛み 熱持つ指先
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触れる度に熱を持って
触れる度に熱を奪われ
吐き出した息は燃えるようで
熱は失われているはずなのに
身体の内側は燃えてるようで
熱と共に溶けそうになる
浮き上がる玉が光る度白く
浮き出した線を残す度紅く
情は熱を伴って爆ぜて
静かに冷えて凍りつく
性のことはり
望んだのは欲
指先はただ空を抱いて
月の昇らぬ夜を掴んで
触れもしないのに熱は残って
忘れもしない熱だけが残って
風が通り過ぎてく
時刻むように
風が吹き抜けてく
心刻むように
一夜を魅せるように装うのは
大衆の前だけで十分で
幾代も魅せるように舞うのは
あなたの前だけで十分で