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詩歌  作者: 日浦海里
16/16

木木交交

---◇---◆---◇---◆---

木々の色

悲喜交交(こもごも)に移ろいて

泣いて笑って請いてまた泣き

---◇---◆---◇---◆---


泰然自若(たいぜんじじゃく)として(そび)える木々は

その実とても情緒纏綿(じょうちょてんめん)


春になれば葉を茂らせて花を咲かせ

全身で生命との出会いの喜びを表現するし

多くの生命が眠りにつく秋ともなれば

涙の代わりに葉を散らし

寒くないように地に温もりを掛ける


感情的故に恋もする


陽が傾いて

太陽の視線が合うようになると

途端に木々は紅く色づく


切なく寂しい秋などは

より良く自分を見せるためなのか

イチョウは黄金(こがね)色に輝くし

桜や紅葉(もみじ)は恥ずかしがって頬を赤く染める


別れ(がた)くて中々その手を離さずに

一枚の葉が枝に揺れる姿などは

よく見る光景だ


冬にもなればただひたすらに

新しい出会いを夢見て春を待つのかと思えば

雪が降れば手をつなぎ、

雨が降っても氷柱(つらら)を手にして

いつも誰かと共にいる


気が多いのか

愛情深いのか


数多の生命が木々に()って立つのも

そんな木々の性格を知っているから


かもしれない



【補足】

泰然自若:おちついていてどんな物事にも動じない様

情緒纏綿:愛情が細やかな様。情が深くて離れられない様

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