お尻に料理を乗せて提供する和食屋
ここは一流割烹『菊紋』。
料理人全員が全裸。そしてお尻に料理を乗せて提供する新しいクール・ジャパン。
「刺盛りになります」
美しい刺し身を自分のお尻にうつ伏せで盛り付ける親方。
「うん。流石親方。いい味だ」
「ありがとうございやす」
いぶし銀の眼差し。確かな料理の腕。どんな話題にもついて行ける知識量。気配り。
一流の料理を盛り付けるにふさわしい一流のお尻。
早く俺も親方みたいな料理人になりてぇ。
「おい。鮎焼いてこい」
「はいっ!」
俺も追い回しから焼き方になった。
我ながらスピード出世だと思う。
このまま先輩達をごぼう抜きして花板だ!
「鮎になります」
俺は体が柔らかいから仰向けから両足を抱えてお尻に盛り付けるられるぜ!
「……!?」
しまった!冷ましが足りなかった!熱すぎる!しかも塩がいぼ痔に当たって痛い!でも我慢だ。
「おや?うんこさんかいな?」
「あわわわ」
しかもさっきうんこしてたんだ!吹き残しが。
終わりだ。
「紅ズワイガニのええのが入ったんで味噌のオマケです」
先輩達!?
「しかし焼き物と味噌が一緒の器やあきまへんな。お取り分けします」
先輩達と親方達のフォローでなんとか助かった。
自惚れてた。
俺なんか親方どころか先輩達の足元にも及ばない。
……閉店後
「つーわけや。もうええ」
たっぷりと親方に怒られた。
「お前はいい尻持ってる。ええ料理人になるで」
意外だった。先輩達も頷いてくれている。
「……そうですかね?」
「お前は熱くても痛くても声上げんかった。店の和を乱さなかった。和食の食の部分は修行で身につけられるが『和』ちゅうのは中々身につかん」
「親方ぁ」
頑張ろう。
いつか1人前の花板になって両親を招待するんだ。
料理もお尻も磨きに磨かなきゃな。
「俺!頑張ります!」
俺は勢いよく立ち上がった。
「その前にけつ毛そりーや!」
「あちゃー!」
※お尻を隠す主人公。皆が爆笑してスタッフロール。
エンディング曲。
『ら・ら・ら』
監督、脚本、主演。
俺。