#00
処女作になります。作者の須田景です。今日#01も含めて投稿いたしますので、オモシロイ!と思っていただけたら評価していただけると幸いです。喜びます。
むか~しむかしのその昔、ここ“リアデイル大陸”の北方には多くの人間たちから恐れられた大魔王という存在が居りました。
大魔王は、当時世界に八人いた魔王たちを束ね一つの王国“魔界スプリッツ”を立ち上げました。
世界に散らばっていた魔王たちを一箇所にまとめ上げたことにより、リアデイル大陸の各所での魔王による支配や、それに付随する人間へに被害は減ったものの、大きな力を持った者たちが一箇所に固まってしまったことで魔界スプリッツが人間のすみかであるリアデイル大陸そのものを支配しようとしているのではないかと言う考えが人間の中に浸透していきました。
この考えを受けて、人間族をまとめ上げるためにリアデイル大陸にある国のトップたちが集められ、会議を行いました。その会議ではこれからの人間族の未来についてと、大魔王への対応策についてを話し合いました。
ですが、人間という種族はお互いの領地を譲り合おうという考えはなく、あまりの意見の相違から戦争に発展する手前まで行っていしまう国もあったほどでした。
そんな混沌とした会議の中、リアデイル大陸で最も魔界スプリッツに近い領地を持つ最北の地“アルメリア”の領主ドラゴ=アルメリアが一つの提案をしました。
我々は大魔王が攻めてくることを前提にして話をしてしまっている。無論大魔王もそのつもりであって各地の魔王たちを呼び戻したのであろう。ならばこそ、こちらから攻勢に打って出るというのはどうだろうか。
最初その提案を聞いた他の国の王からは多くの反対意見が上がりました。しかし、ドラゴ=アルメリアはそれらの批判を受けて、もう一枚手元にあったカードを切りました。
もし協力をしていただけないのであれば、我が息子リヤド=アルメリアと我が領地に伝わる聖剣をもってすべての魔王を打倒し、魔界スプリッツを新たなる我が領土としよう。新たなる大魔王は我が家からでるかもしれませんな。
ドラゴ=アルメリアは戦略家であった。頭が切れ最北端の小さな領地を一つの国と言わしめるほどに大きくした実績もあり、なんの偶然か彼の息子であるリヤドは魔王を打ち倒すと言われている伝説の“勇者”の力を持っているというのだ。
更に偶然なことに北方のアルメリアの領地には聖剣アイスベルグと呼ばれる氷の聖剣が保管されていたのである。氷の聖剣は使用車を選び、見事にリヤド=アルメリアはその氷の聖剣に選ばれて戦場で名を馳せていた。
そのことを知っていたアルメリアと戦争をしたことのある国々はアルメリア側に付き、そのことを知らずにドラゴの盲言だと決めつけて信じなかった国々は戦力を貸し出そうとはしなかった。
数カ月後、リヤド=アルメリア率いる人間族連合軍は魔界スプリッツへ向かって進軍していった。
そのすきを残りの国が見過ごすはずもなく、最北の地アルメリアはわずか3日で滅ぼされてしまった。
更に数カ月後、大魔王を討伐し帰還したリヤド=アルメリアを待っていたのは、勇者を迎えるセレモニーでも、国を上げた宴でも、温かい父の言葉でもなく、下卑た人間たちの戦争の跡と帰還した勇者を害し手柄を自分たち物にしようとする生き残った兵士と他国からの刺客だけだった。
それからリヤドは、戦いに明け暮れた。
魔王の配下である魔族を殺しすぎたせいだろうか、人間を殺すという行為に対して一切の躊躇もなくリヤドは自分を害そうとする人間を殺していった。
しかし、その殺すという行為がリヤドにとってなんの苦痛にもならなかったかというと答えはノーだ。人を殺し、血に濡れた聖剣は切れ味を失い、毎日長時間移動を強要していた体は言うことを聞かなくなっていき、人を殺しすぎたリヤドの心は、暗く曇っていった。
暗く曇ってしまった彼は人間を信じなくなり、父の言った言葉の通り魔王として生きようということを選択してしまった。最後まで持っていた大魔王の死体を喰らい、魔族としての適性と大量の魔力を得たリヤドはかつて大魔王が収めた地、魔界スプリッツへと戻ると人間に向かって宣戦布告をした。
我は新たな大魔王スプリッツである。我の魔力の一端をこれから愚かな人間たちに見せてやろう!せいぜい死の淵に恐怖を感じるが良い!!!
総宣言したリヤドは自分の持つ全魔力と引き換えにリアデイル大陸の各地に迷宮を出現させた。
迷宮からはモンスターと呼ばれる魔族でも人間でもない異形の種族が常時発生し、迷宮を放って於けば迷宮内からモンスターが溢れ、地上は大混乱に陥るだろう。
リヤドはこの迷宮を出現させたことで息を引き取った。しかし、最後に自身の力の一端を見せると宣言したことにより、そこから人間の国々は大魔王を恐れ魔界スプリッツに足を踏み入れることはなくなった。
そしてその昔から数千年がたった今、リヤドが出現させた迷宮はダンジョンと呼ばれ、新しくできた職業“冒険者”たちが足を踏み入れモンスターを倒して帰ってくる冒険者たちの職場として機能している。
で、その冒険者達を雇っているのが“冒険者ギルド”だ。
俺はデュックス。この冒険者ギルド“ユニゾーン”で働く超一般社員だ。趣味はこの世界の歴史を知ることだ。
さてと!今日も仕事を始めていきますか!!
あとがきは設定とかをちょくちょく書いていこうと思っていますので、次回から裏設定とかを少し話していければななんて考えております。
まえがきでも書きましたが一応もう一度。
オモシロイ!!!と思っていただけましたら、ブックマークとか評価とかしていただけると幸いでございます。#01も今日中に出ているはずなので、そちらもぜひ読んでいただければと思います。