第七話 鑑定と呼び出し
森から帰るともう夜になっていた。
ギルドに帰ったアランは鑑定受付にいる受付嬢のところに行く。
「オーク五体の依頼の鑑定をお願いしたいです」
「はい、ではギルドカードの提示をお願いします。ギルドカードで依頼の受注確認を行いますので」
アランはギルドカードを提示した。
「確認できました。では討伐対象の一部をお願いします」
そう言われてアランは亜空間収納からオーク五体と一体を出す。
「はいどうぞ。あとこの一体だけすごかったんでこいつもお願いします」
「あの、今どこから出しましたか?」
「え、魔法でですけど。あ、このことは秘密でお願いします」
「はい、わかりました。」
(そうだ、今は物をしまう魔法どころか空間魔法自体がないんだったな。気を付けないと)
アランは自分が古代魔法使いということがバレてないか心配していると、受付嬢が
「あのこれ、普通のオークとは違うオークキングだと思うんですけど?」
「オークキング?普通のやつとは違うんですか?」
「え?知らないで討伐したんですか?オークキングは普通のより一回り以上大きく魔法への耐性が高く、物理系の攻撃も普通は効かないことでAランクの魔物なんですけど、どう倒したんですか?」
そう聞かれたアランは
「え、魔法を使って倒したんですけど」
「魔法で!!」
大声でいう受付嬢。幸い夜のおかげだったのか、周りに冒険者はおらず、聞かれるようなことはなかった。
「すみません。声が大きすぎました。ちなみに何の魔法で倒したとか聞いてもいいですか?」
「それはお答えできません」
「そうですか。それではこの五体とは別にオークキングの討伐報酬も一緒に渡しておきますね」
「ほんとですか。ありがとうございます」
「それでは報酬の準備するのでしばらくお待ちください」
しばらく待って
「報酬の用意が出来ましたので確認お願いします。全部で金貨五枚と依頼の報酬銀貨30枚となります」
「はい、確かに。ありがとうございます」
「それと、明日の昼過ぎにアランさんにお会いしたいとギルドマスターがおっしゃってられますが大丈夫ですか?オークキングについて聞きたいと言ってました」
「はい、大丈夫ですよ。」
「では明日の昼過ぎに依頼の受付に行ってください。そこで名前を言えば大丈夫です」
「分かりました。それでは失礼します」
そう言ってアランはギルドを出ていった。
次の日の昼過ぎ、予定通りに俺はギルドに行った。昨日言われた通り依頼用の受付に行った。
「すみません。今日の昼過ぎにギルドマスターと会う予定の者ですけど」
「ギルドマスターにですか?失礼ですがお名前は?」
「アランです」
「アランさんですね。はい、確かに今日の昼過ぎから会う予定になってますね。では今からご案内いたします」
受付嬢にそう言われて案内されるアラン。
着いたのはこの建物で一番上の部屋だった。ギルドマスター室と書かれていた。
「ギルドマスター、アランさんが来られました」
「分かった。入っておくれ」
「では私はこれで」
案内人の受付嬢は降りていった。
「失礼します。」
ドアを開けるとそこには50代くらいガタイのいいイケおじがいた。
「君がアランか」
「はい、アランです。オークキングについて聞きたいと聞きました」
「そうだな。まぁ、話す前にそこの椅子に座って話そうや。俺はランド・カッセルという」
「ランドさんですか。分かりました」
向かい合うように座った。
「では本題の、オークキングはどうやって倒したんだ?一応、魔法で倒したことは昨日のオークキングを鑑定した人から聞いている。だがオークキングは魔法耐性が高く少なくとも上級魔法級ではないと倒せないんだが?」
「それについては話せませんね」
「まぁ、そうだよな。冒険者にはいろんな訳ありな奴もいるからな。特に魔法師などは自分の魔法をおいそれと話せないわな。まあいい、それとどこで見つけた?」
「洞窟で見つけましたね。数自体は鑑定してもらった五体とオークキングを入れると30ぐらいいましたね」
「洞窟か。残りのオークはどうしたんだ?」
「魔法で焼きましたね。そこで一体だけ残ったのがいるなと思ってついでに持ってきたのがオークキングでしたね」
「そうか。分かった。では一応巣にはもうオークはいないということだな?」
「恐らく。では自分はこれで失礼します」
立ち上がって出て行こうとする俺、しかし次の瞬間、ギルドマスターから驚くべき発言を聞く。
「君は、どこで古代魔法を覚えたんだ」