第三話 目的地と盗賊
(さてと、まずはアルカナ領を出てどこかの冒険者ギルドで冒険者登録だな)
追放されて家を出たアランがまず最初に決めた目標は、冒険者になることだった。理由は、アランは覚悟を決めたあの日から最初に考えたことは、家を出ていった後はどうするかだった。
アランとしては折角努力して手に入れた古代魔法を使わずに生きるのは勿体ない。だから古代魔法を使える仕事をしたいと思った。そこで考えたのは、冒険者という職はどうかと思った。
冒険者というのは、主に依頼を受けて採集に行ったり、魔物とかモンスターと言われたりするものを討伐したりなどが大まかな仕事だ。特に討伐依頼などは戦闘を基本的に行う。魔法も使われたりしていた。古代魔法を使った仕事をしたいアランにとっては天職ともいえるものだった。
(んーどうしよう。隣の領でもいいけど、そこはまだ俺の顔も知れてそうだな。やっぱりここからは距離もあっていろんな人も物も集まる帝都の方がいいかな。俺自身は帝都にはそんな多くは行ったこと無いからな)
ちなみに何故アルカナ領を出るかというと、単純に面倒だからだ。
アルカナ領にも冒険者ギルドはあるが、そこは俺の顔が少なくとも知られている。だからここで登録すると面倒な噂も出てくる。それだけだ。
(他に良い場所も思いつかないし、帝都に行くとするか)
アランはそう考えると早速移動を始めた。
移動を始めて数時間後、
「町を出たか。今までお世話になりました。ありがとうございました」
ここで生まれてここで育ったアランにとってこの街はとても大切だった。いろんな思い出があった。
そして今のアランの目には、もうここには来ないような目だった。
(さてと、帝都に向けて行くか)
街を出てから数日経った道中、少し行った先で馬車が囲まれているのが見えた。
見た感じ、襲われているように見える。近くまで行くと、やはり襲われていたようだ。
「おい、お前ら何してる。」
「あ?何だガキ、何してるって、こいつを襲ってるんだよ」
「助けてください。こいつら盗賊です」
盗賊だったようだ。
「こう言ってるが、どうするガキ?俺たちとやるか?俺たちは別にいいぜ?それとも逃げる?」
挑発してくる盗賊
「ふむ。仕方ない、あまりまだ力を使いたくなかったが、見過ごして死人が目の前で出るのも嫌だしな」
「そうか。俺たちとやるってか。お前ら!やるぞ!」
「「「おう!!」」」
かかってくる盗賊。
しかし、
「ライトニングスピア×5」
アランがそう言うとアランの前に雷を纏った槍が目の前に現われて襲い掛かった盗賊たちはそれに触れた瞬間に痛がる様に倒れた。
「「「いてぇ」」」
「おや?手加減して撃たなかったのに触れただけで痛いのか?じゃあ、刺さるとやばいんだろうなぁ。」
俺はそう言って撃つような構えをする。
「ひぃぃ!!何だお前、魔法師だったのか」
「魔法師か。合ってるが、少しだけ違うな。ところで、今退いたら撃たないけど、どうする?」
「分かりました!!!。退かせていただきます!お前ら!起きろ!今すぐ帰るぞ!」
盗賊がそう言うと全員逃げる様に行った。
「ありがとうございます。魔法師さん。助かりました。このお礼はなんとしたらよいか」
「それなら、帝都に連れていってくれないか」
「それくらいのことでしたらお安い御用です。私も帝都に行くところでしたので」
「ありがとう。助かる。」
「いえいえ。いま命があるのは貴方のおかげなんですから」
男はそう言って俺を馬車に乗せてくれた。
数日後 ついに帝都に着いた。