シアが行方不明になりました 前期
僕とシアはあの時より、もっと仲良くなっていった。
「そういえばネイト君って大人になったら、冒険者になるの?」
僕は少し考えていた。正直この先の事などあんまり考えた事が無かったからだ。まず僕はあんまり傷つけることはしたくない。
「ネイト君、ごめんね。なんか変なことを聞いたりして」
「いや、大丈夫だよ」
確かに僕もそろそろこれからの事を考えないと行けない時期だろう……
「僕はまだこれからの事を考えてないけど、出来るなら色んな人たちを人助けしたいかな」
「とてもいい夢だね。きっとネイト君なら叶うよ」
シアはとても頷いていた
「そろそろ家に帰らないと……」
日がそろそろ落ちようとしていた。
「そうだね。ネイト君またね」
僕はシアと別れた後、家に帰った
翌日僕は寝ていると、大慌てで親に叩き起こされてしまった。なにやら家に男爵家の貴族が来られたようだった。
「君昨日シアと一緒に遊んでいたと聞いておるが、娘はどこだ、お前と遊んだ後帰ってないのだが?」
帰ってない……?
どうしてシアは帰ってないんだろうか……まさか何者かによってさらわれてしまったのだろうか……?
母親が僕に聞いてきた。
「ネイト……あなたが昨日遊んだ後、シア様はどこに行ったのか知らないのかい?」
そんな事言われても、僕が1番気になっている事だ。
僕が分からないと言うと、男爵家のシアの父親が、僕にこう言った。
「今日中にシアを見つけなければ、お前ら準男爵家をこの村から追い出す。嫌なら今日中に見つけてこい」
母はとても頭を下げ謝っていたが、シアの父は許さなかった。当然のことだ、娘がいなくなっても許せる親なんて普通はいない。
僕はシアの父に伝えた
「はい、今日中までにシア、いや…シア様を見つけてまいります。見つけられたら僕たちを村から追放しないですよね?」
「あぁ、見つけられたら許そう……だが、もう一度言うが、見つけられなかったら絶対に追放してやるからな」
伝えた後、シアの父は帰って行った。