課題をやらされました
かつてここには賢者が住んでいたと言われている村があった。村の人達はその賢者様を祀っていた。
賢者様が活躍していた時代から今から1000年ぐらい前の話だ。当時は魔族と呼ばれるやつがこの世界を滅ぼそうとしていたという。だが、1人の賢者によって全ての魔族は滅ぼされたという功績が今でも残るほどである。
僕が生まれた年が丁度賢者様が亡くなった年と重なると言われており、みんなからは賢者様の生まれ変わりだと言われている。でも僕自身賢者様の生まれ変わりだなんて信用していない。
そして今日も先生が怒っている声が聞こえてくる。
今回はいつもより怒鳴ってるようだ
「聞いてるんですかネイト、あなたは全く……賢者様の生まれ変わりだからって調子に乗りすぎですよ」
僕は今まで賢者様の生まれ変わりとか信用してないが、調子に乗ってるつもりはないんだけどなぁ……
「い、いや……僕はただ。」
「今回ばかりは許しませんからね、普段の2倍課題を出すので絶対に明日までに提出するように」
「そ、そんなぁ……」
僕は仕方なく課題をやり始めた。
課題は、そこまで難しくないのだがプリントの数が、普段は5枚なのだが、今回は10枚もある。正直とてもやり切れない。
僕が、勉強をしているとゆっくりと扉を開く音が聞こえた。僕はその方向を見ると、1人の女の子がこちらを見ていた。
「君は確か同じクラスの子だよね、家に帰らないの?」
僕がそう言うと、その女の子はこう言った。
「私も手伝うよ」
女の子はそう言うと、僕はとても感謝した。
その子の名前は、シアと言うらしい。シアは男爵家の人間で魔法がとても得意らしい。
僕は準男爵家の人間で、最下級の貴族のため、上位の貴族から嫌われている。だが、シアは準男爵家の僕を冷たくしたりしなかった。
そして数十分で課題は全て終わらした。
「ありがとうシア、君のおかげで助かったよ」
シアは首を横に振り、優しくこう言った。
「私たちは同じ人間なんですよ。人間同士が争ってどうするんですか?」
確かにその通りだ。
それから僕とシアは毎日のように遊ぶようになっていった。