最強賢者現る
世界は滅ぼされ、街や王国はどんどんと滅ぼされてしまっている。占い師の予言によると、今から10日以内には世界は滅ぶであろうと予言をしていた。
ただ、1人その占いを信じない男が1人いた。その男は黒いフードを身につけ…信じられない力や魔力そして精霊術も操ることも出来る人物であり、皆は口を揃えて最強の賢者と呼ばれていた。
「この辺も滅ぼされているのか…全く魔族は厄介な連中だな」
空気はとても凄い異臭な匂いがする。普通の人間では立ち入ることさえ出来ないだろう……
「確かここには小さな町があったはずなんだが、滅ぼされてしまったか……」
かつてここに来た時は確か、青龍と呼ばれる青い龍が毎日のように現れるということで、町の人達は毎日いつ来るか不安になっていた。
俺は、その青龍を倒すつもりでこの町を拠点にして、色々準備をしていた。だが、その青龍は別に町の人達の邪魔をするつもりは無かったらしい。
青龍本人から聞いた話によると……自分の子供が生まれたため、餌を取りに行くために移動していたとか、全く迷惑な話だ。
だが、今では町の姿が見当たらなかった。
その時になにか強い気配がこの先の山から反応している。
「魔族が現れたか」
賢者は強い気配がする反応の場所に向かっていた。決してバレないようにひっそりと身を隠した。
強い気配の正体はやはり魔族であった。
魔族は、この世界に5体おり普通の魔物と比べるととても強い。だが俺は4体の魔物を撃破しており、残るはあの魔族ということだ。
俺は、ゆっくりとそろりそろりと歩き…少しずつ近ずいて行った。
「あと一歩だ…あと一歩で我々の計画通りになるんだ。」
計画とは一体…何を考えているか分からないが、魔族のことだからこの世界を我の物などを考えてるに違いないだろう…
魔族は、普通の魔法使いでは相手にならないほどの魔力の持ち主だ。普通の魔物は考えたりしないため、何の攻撃が来るか分からない時があるが、俺には独眼というスキルがある。
この独眼というスキルには、相手が付けている魔法やスキル効果を確認することができるというものだ。
だが、あの魔族には何の魔法もスキルも見えない、きっと油断しているのだろう。
俺はひっそりと隠れ、背後から光の剣で攻撃をした。
この光の剣は魔族を切り裂く最強剣と呼ばれており、この剣に勝てる魔物などこの世にいないほどだ。
「き、貴様一体何者なんだ…」
まさか俺の事を知らない魔族がいるとは思わなかった。これでも俺は4体の魔族を倒してきたというのに、きっとこいつは魔族の中で嫌われていたかあるいは、仲間割れの関係で情報がなかったかのどっちかなんだろう。
「流石は魔族と言ったところか」
そして、ここはもうダメみたいだな……
「新たな場所に旅立つとするか」
後に賢者は、後世に残るほど有名な人物であり、知らない人間などいないほどである。