使用制限は必要
誤字報告ありがとうございます!
誤字ばかりで、申し訳ないです。。
引き続き間違いがあれば、ご指摘下さい。
“予定”スキルに、【魔物に認識されない】を追加してからは、魔物に攻撃される事無く眠りにつけた。
ゆっくり睡眠も取れ、早く目が覚めたので、隣のベットで寝ているヒースさんの方を見ると、案の定枕元にはデジカメが。
ヒースさんの綺麗な寝顔よりも、枕元のデジカメに目が行き、やっぱりなと思う気持ちの方が強かった。
胸に抱いて寝てないだけマシだと思うようにしたけどさ。
ってか、夜中に充電してなかったけど、今日はもつかな?
もしかしたら既に充電切れだったりして。
バッテリーだけを購入した事がないから、“買い付け”アプリでも購入できないんだよね。
取り敢えず、ヒースさんが起きたら聞いてみよう。
デジカメの充電をお願いされるかもしれないので、“予定”スキルで呼び出した洗面所の設定時間は、長めにしておいた。
顔を洗って朝の身支度を済ませ、洗面所から出ると。
「おはよう」
と、ヒースさんが挨拶をしてきた。
ヒースさんの顔はとても晴れやかで、その胸元には、両手で握られたデジカメが見える。
こりゃ、今日も撮る気満々ですね。
「おはようございます。電池はまだありますか?」
「いや、昨日ユエが眠りについた後も少し撮っていたんだが、途中で切れてしまった。事前に聞いていたから、故障ではないと思うが、使えるようにしてもらえるだろうか?」
「わかりました、お預かりしますね。ただ、時間がかかるので、今日はあまり使えないかもです」
「なにっ!? そうなのか……」
「先に言わなくてスミマセン。今日は、ヒースさんが撮った写真を見られるようにしますから」
今日はあまり使えないと聞いたヒースさんの顔は、ガーンという表現が当てはまるくらいあからさまに落ち込んでいた。
デジカメを受け取り、洗面所で充電を開始。
しかし、デジカメの充電をMAXにするのに、四〜五時間はかかったはず。
この島から出発して、バステト様に乗ったらもう充電は出来ない。
今から一時間程充電したとしても、十五分くらいしか使えないと思う。
なので、タブレットにカードリーダーを付け、デジカメに入れていたSDカードを読み込み、画像を見られる様にした。
「この道具でヒースさんが撮った画像が見られます。この絵を押してみてください」
恐る恐る言われた通りに、アイコンをタップするヒースさん。
すると、ザーッと画面いっぱいに写真が並び、それを見たヒースさんは、
「ほう、これは壮観だ。だが、一つ一つが小さいのは残念だな」
「見たい写真を押すと拡大して見られますよ」
「なんと! この道具全面が絵に変わるとは!」
「この画面を触ったまま横に指をずらすと、次の画像を見れますよ」
「ム。動かないぞ」
「あ、そんなに強く押さなくて大丈夫ですよ! ちょっと失礼します」
あまりに力一杯押している様に見えるもんだから、慌ててヒースさんの指を取り、そのままスライドの仕方を教えた。
ゴツゴツした大きな手がセクシーだなんて邪念も浮かんだけど、教えることに集中した自分を褒めたい。
「おお、これは良い! 良く見えるな」
ヤバい!
ヒースさんの満面の笑みを、真正面で受けてしまった。
攻撃力が半端無い!!
心の臓の鼓動が早い、誰か助けて……
「すぅ、ふぅ、すぅ、ふぅ……」
「どうした? 大丈夫か?」
「ヒースさんの笑顔の攻撃力が高くて、しんどいです……」
「……何だそれは」
ちょっと呆れた顔をするヒースさん。
だけど、問題ないと思ったのか、すぐタブレットに目線を落とした。
くぅっ、心配されなかった……
「ヒースさん、先に朝食にしますよ!」
何か悔しくて、タブレットを取り上げたくなった。
大人気ないが、朝食は大事だからね!
ヒースさんは渋々タブレットを置き、テーブルの席に着く。
子供かと言いたくなる様な、何とも言えない表情をするヒースさんが可笑しい。
納豆でも出してやろうかなんて意地悪を思いついたが、マジで怒られそうだからやめておいた。
惣菜パンとサラダとスープをストレージから出し、いつの間にか着席していたバステト様の分も含め、テーブルに並べた。
「バステト様、おはようございます。では、いただきます」
「にゃ〜」
「恵みに感謝を」
それぞれ食事の挨拶をし、食べ始める。
「このパンは変わっているな。ベーコンと野菜が入っているのか」
私が出した惣菜パンは、ベーコンアスパラエピ。
硬いバゲットに、ベーコンを挟んで編んだような形に見えるパン。
あれ? 編んだじゃなくて麦の穂がイメージだっけ? 細かい事はわからん。
“買い付け”アプリで購入していたものだ。
「野菜とお肉一緒に取れるので良いですよね、美味しいし」
「そうだな。ボリュームもあって良い。美味いな」
「良かった」
バステト様は、何も言わず召し上がられている。
もちろん小さく千切ってお出しした。
バステト様はいつも文句を言わず、全て召し上がって下さるのでとてもありがたい。
朝食を終え、片付けも終了。
私が片付けをしている間、ヒースさんはタブレットの写真に夢中だった。
これはアレだな、一日の使用時間を決めないと一日中使うタイプだ。
「ヒースさん、夢中になるのは分かるんですが、一日の使用時間を決めましょう! 慣れない画面を見ていると目も疲れてしまうでしょうし」
「……そうだな。ここまで夢中になってしまうとは自分でも驚いている。手伝いもせず申し訳なかった」
ずっとイジっていたい気持ちはすごくわかる。
私だって新しいスマホとかタブレットを買ったら、設定や使い方でかなりの時間イジっていた。
それに、日本にいた時はスマホやタブレットを手放せないくらい依存してたからね。
全然ヒースさんの事を言えない。
この世界に来て、他者との連絡手段もなく、SNSなんてものも使えなくなったから、目覚ましやマップ、最近では“買い付け”アプリも増えたけど、殆ど“予定”スキル使用以外では、使わなくなったからね。
日本でのことを考えると、人のことは全然言えないけど、でも、ここは心を鬼にして、決め事を考える事にした。
・睡眠時、デジカメとタブレット共に充電する
・食事中は使用しない
・デジカメの充電が切れたらその日は終了とする
・タブレットでの写真確認は夕食後のみとする
そして話し合った結果、時間での縛りではなく、最低限守ってほしいラインで合意。
折角ヒースさんが夢中になるものを見つけたのに、キツイ制限をかけるのもどうかと思ったと言うのもある。
タブレットの使用を夕食後のみにしたのは、少しキツイかもしれないが、せめてもの私の抵抗でした。
ただ、この世界に本来無いものにハマってしまったヒースさんを、これ以上地球色に染めてはいけないという思いも勿論あるので、デジカメとタブレット以外の機器類に関しては教えないつもり。
タブレットでも出来るが、画像の加工方法なんて知ったら……ねぇ。
ハマる未来しか見えないもの。
そして、話し合いを終え、そろそろ出発する事に。
タブレットを回収し、洗面所のコンセントからデジカメを外しヒースさんに渡す。
「ありがとう」
嬉しそうな顔のヒースさん。
ヤバいね、これは完全に絆されそうだ。
「さあ、行きましょう! バステト様!」
心を落ち着かせ、ようやく小島を出発した。
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